デンマルク国の話/内村鑑三
戦いは敗れ、国は削られ、国民の意気鎖沈しなにごとにも手のつかざるときに、かかるときに国民の真の価値(ねうち)は判明するのであります。P76戦いに敗れて精神に敗れない民が真に偉大なる民であります。P76しかしながらわれらは外に失いしところのものを内において取り返すを得べし、君らと余との生存中にわれらはユトランドの荒野を化して薔薇の花咲くところとなすを得べしダルガス P78他人の失望するときに彼は失望しませんでした。彼は彼の国人が剣をもって失ったものを鋤をもって取り返さんとしました。P79天然には永久の希望あり、壊敗はこれをただ人のあいだにおいてのみ見るシラー P81国の小なるはけっして歎くに足りません。これに対して国の大なるはけっして誇るに足りません。P86外に拡がらんとするよりは内を開発すべきであります。P87