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カテゴリ:連載小説
「フラれに行く・・・のかな。 ショックは無いんです。」 「――まだ、決め付けないで。 彼女はただ先生に会いたいって思ったのかも。 それに、今日会えば歯車がかみ合って、 うまくいくかもしれないし。」 「ありがとうございます。―― 渡良瀬さん。」 「・・・もしも振られちゃうとしても、 彼女もそれなりに悩んで悩んで 別れの結論を出したんじゃないかしら。 先生、男でしょ。彼女の言葉に胸貸して・・・ ―― あっ、私また、余計な事言っちゃいましたね。」 はっとして、口を手で隠すしぐさが可愛い。 「よく知りもしないのに、年上ぶって・・。 ごめんなさいね。」 「全然、そんな事無いですよ。」 少し話題を切り替えたい。 「―― ところで、渡良瀬さん。 渡良瀬さんの名前はなんて言うんですか。」 「私の・・? 私は喜春です。」 「キハル?」 「はい。喜ぶ春です。 ―― あっ先生、私こっちですから。」 ここで別れて、僕は自転車で駅に向かう事にする。 ・・・気が重い。 「先生、その・・・、本当にお別れすることになったら やっぱり覚悟していても悲しいですよね。 もし誰かに話したくて、聞くのが私でよかったら 《咲花》に寄って下さい・・・。 心が元気になるジュース、作りますから。」 僕に軽くうなずき、送り出してくれた。 その中に 「大丈夫よ。」とも 「待ってるから。」とも 僕に都合のいい心地よい意味が いっぱい入っているように思った・・・。 電車の中で、喜春さんが“おふくろみたいだな。” って思い考えていた。 “おふくろは失礼か。・・・お姉ちゃん?” 僕の母親は僕だけにこんな笑顔を向けてくれる事は無い。 姉もいない。いるのは兄貴が2人。 4歳上の兄と、1つ上の兄。 “お姉ちゃんて、こんな感じなのかな・・・。” 喜春さんの笑顔も、《咲花》の顔と さっき会った顔は全然違う。 僕はこの状況で、細い絆の恋人を思う事も無く、 生徒の母親の喜春さんの事ばかり考えていた・・・。 ―つづく― ↓ストーリーを最初からお読みになりたい方はこちらへ。。。 ☆片想いの体温(第1章・高3編)☆ ☆片想いの体温(第2章・高1編)☆ ☆片想いの体温(第3章・現在編)☆ その他の作品や『片想いの体温』登場人物の紹介はこちらへどうぞ♪ ☆あらすじページ☆ 一期一会の願いを込めてランキングサイトに参加しています。 楽しんでいただけましたら・・、どれでもポチッとお願いいたします☆☆☆ ☆モブログランキング☆ いつも応援ありがとうございます♪皆様の笑顔を思い浮かべて今日も頑張ります!emy&aco acoです。更新が遅れてすみません!m(_ _)m 楽しみにしてくださってた読者の皆様、大変お待たせいたしました~! emyちゃんがコメント欄に書いてくれた通り、夏休みを頂きまして 帰省&充電してまいりました。。。 一昨日は、ふと思い立って家族で高崎の”白衣観音”様に 会いに行ってきました。子供の頃以来でしたが、 10年ごと位のお化粧直しがあったばかりだそうで とってもきれいなお姿でした。 昭和16年に立てられたそうで、母と同い年・・・。 行ったのが終戦記念日の翌日だったので、感慨深いものがありました。 皆さんの心の中に、ひとつでも多くの幸せの花が咲きますように・・。 そしていつか、花でいっぱいの世の中になりますように・・・。 -aco- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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