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テーマ:学校生活(511)
カテゴリ:連載小説
先生が本庄を打ち上げに誘った・・・。
この事で、僕の無意識に封印されていた心が鮮明になった。 夏恋は僕の彼女だ。 でも本庄も、他の男に渡したくない。 本庄が僕以外の男と親しく話し、楽しく笑い合う姿は 見たくない。 先生と本庄が、腕を組んで店に入ってきた。 その時僕は先生に、うまく言えないけど 男としての差を 見せ付けられた気がして悔しかった。 みんなに冷やかされながら、滝本に案内され 奥の座敷テーブルに着く。 部長の小林と先生の挨拶が終わると、コーラで乾杯した。 その後は、お好み焼きを焼く鉄板の音と話し声で 店内は一気に騒がしくなる。 僕と夏恋の席は、先生と本庄の席に背を向けていた。 それでも奥のテーブルの4人の声は聞こえてくる。 滝本がいいとこ見せようと、 「本庄、俺が焼いてやるからな。」 と得意の腕を振るえば、もう1人が 「本庄、もうコーラ無いけど、何か飲む?」 と言う気の使いよう。 「えっ、私、コーラ半分しか飲んでないけど。あれ?」 「・・あっ、俺間違えた?あ、飲んじゃった。」 と先生の声が聞こえる。 「わざとらしー!!」 の滝本たちの声が店内に響く。 「何なに、どうした?」 他の部員達の目が奥の席に行き、男だけのテーブルの奴等は 奥の一段高い畳の座敷テーブルに上がりこむ。 先生が言い訳を始める。 「違う、本庄が左側に座って、右手でコーラ飲んで置くだろう。 そうすると左側に座ってる俺は左利きだから このコーラを間違えて飲んじゃったの。」 「作戦がセコいよ!」 「やる事 ガキ以下!」 「スケベ教師!」 なんてブーイングしながら座敷に上がり込んだ奴等は 自分の席に戻らず、本庄を囲みながらお好み焼きを焼き始めた。 先生は本庄を話のネタに、部員達を上手にのせている ――。 ―つづく― 毎日の励みになりますので、ポチッとして頂けたら嬉しいです。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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