|
カテゴリ:連載小説
21:15。
久しぶりに手代木先生が来店する。 「いらっしゃいませ。」 私は声をかける。 しかしママは何も言わない。 先生も、いつもなら夜はまっすぐカウンター席に着くのに、 入り口の前で迷っているように見える。 この時間なら、って言うよりこの店内を見れば どこでもってくらい、席は空いている。 「こちらの席、どうぞ。」 ママがカウンター内から声をかける。 お客様を迎えると言うより、ツンとすましたような ママらしくない対応。 先生も何も答えず素直にママの前のカウンター席に着く。 “・・・なんなの? この二人。” 見ようによっては、喧嘩中の恋人のように見える。 「先生、今日は何になさいますか?」 私もカウンターに入り、ママと先生の空気を壊すように 明るい声を出す。 この2人の空気・・・。 親しさが増したゆえの気まずい重たさに感じる。 「そうだな・・・。 じゃ、雪・月・花のコースの・・・“花”で。」 「はい。“花” お願いします。」 「――はい。」 ママと先生の距離なら、先生の声は充分聞こえている。 しかし、2人が直接会話をしたら 息がお互いの顔や髪にかかるくらいの 接近した距離を思わせた。 もちろんカウンターを挟んでるから、 実際にそうなることはない。 なのにそんな気がするし、 絶対にそうさせたくなかった。 だから2人の会話に頑張って邪魔に入る・・。 ―つづく― いつもお読み頂きましてありがとうございます! \(^―^)人(^0^)/ 今日もすっごくいい天気ですね! でも・・・夏恋ちゃんの心模様はどんより曇り空でしょうか。 そして、喜春ママと先生の心の中は?? さてさて、次回をお楽しみに~! 毎日の励みに、ポチッとして頂けたら嬉しいです。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[連載小説] カテゴリの最新記事
|