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テーマ:学校生活(511)
カテゴリ:連載小説
本庄が目の前で涙をふいているけど、
抱きしめたいとは思わなかった・・・。 もしも、本庄が僕に抱きついてきたら 「えらかったよ。」 とでも言って、頭をなでてやるくらいの事は 喜んでしたと思う。 「・・・先生。 柏田君はずるいよね。」 泣き止もうとする明るい声。 「うん・・・。正直、俺は男だから、 柏田の気持ち、分かっちゃうところあるんだよな。 でも、柏田だけじゃない。 男はみんなずるいよ。」 「ふ~ん・・・。男はみんなずるいんだ。」 「でも、女はそれ以上にしたたかだよ。」 「・・・。」 「そこが恋愛の醍醐味なのよ。」 「・・・先生は、好きな人いる?」 「えっ!」 本庄宅の玄関前に着く。 「そんなに驚く質問ですか? 彼女いるんですか?」 「今はいないよ。」 「・・・嘘つき。」 本庄の泣いた瞳がふざけたようににらむ。 「嘘じゃないよ。俺は正直者だぜ。」 ――玄関の扉が開く。 本庄の高校生の弟だろうか? 背は180cm位だろうか。 目線の高さが僕と同じ位。 さすが本庄の弟。 モテそうな、イイ顔をしている。 「――どうしたの?」 「・・・笑い声、聞こえたから。」 「笑い声聞こえたからって・・変なの。 先生、弟の功介(コウスケ)です。 ――こちら、手代木先生。」 「こんばんは。」 気のせいだろうか。 弟の目が一瞬鋭く見えた。 「・・・。」 「功ちゃん、どうしたの?」 「どうして先生が家まで来るの?」 「志望校の事とか、相談に乗ってもらって、 送ってくれたの。 ――先生、今日はありがとうございました。」 玄関に近づく本庄の顔が、明かりにさらされる。 「――じゃ、明日。」 自転車に乗ろうとした時、 「先生、今日は本当にありがとうございました。 バレー部の男子にも・・・。」 「はい、伝えておきます。」 見送られて、自転車を走らせる。 3分くらい走って、商店街に入ろうとした時、 「手代木先生!」 呼ばれて振り返ると―――。 ―つづく― はい、お疲れ様でした! いつもお読みいただきありがとうございます。(^-^) ルミちゃんちの前で手代木先生 VS 功介クン。 つまり美青年 VS 美少年ね! ああっ!妄想族にはたまりません。 さて、夕暮れの商店街で、先生を呼び止めたのは・・? 次回もお楽しみに~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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