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makichan_w

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2005年07月03日
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カテゴリ:観劇
本日の同行者は友人が行かれなくなった為、母と。実は母と歌舞伎を観るのは初めて。
席についてびっくり、なんと花道の真横2席目というすごい席。
19-20だったからもっと上手だと思っていたんですが。しかも花道すっぽんの真横ですよ!

最初はまず鑑賞教室ということで春猿さんと笑三郎さんの説明から。
前回「社会人の為の歌舞伎入門」で観た勧進帳の時は確か映像のみだったと思うので、今回もそういうものなのかなーと思っていたら、今回は色々と盛り沢山で面白かったです。
まずは唐傘さして後姿の春猿さん(袴姿)が回り舞台+セリでがーっと上がってきます。
唐傘には「しゅんえん」の文字。しかも回りながら複数のセリが上がったり下がったりするのでなんだか「ヤマトタケル」を思い出します。弟橘姫、可憐だったなぁ…などと思い出しつつも素顔の春猿さんも物腰穏やかでとても素敵。
春猿さんのご挨拶の後、チャリン!と鳥屋から音がして同じく「えみさぶろう」と書かれた唐傘をさした笑三郎さんご登場。そのまま花道を歩いてすっぽんの上の位置で立ち止まり、目の前で見得を切ってくれてドキドキ。かっこいい。

お2人で舞台上に揃ってから下手の隠れた所で演奏している方々(黒御簾さん)を舞台上にお呼び出しして揃って演奏して頂く。あのスペースに(入ったことないけど)この人数が入って演奏してるかと思うとすごい。実際には半2階部分にも人がいるのでしょうけれど。
演奏は笛・太鼓・鼓・三味線など。太鼓をドロドロドロ…と叩く演奏では特定の動物が出てくる(答えは今日の演目の狐。)などの解説を加えて頂いたり。

歌舞伎の黒御簾さん達の担当するBGMから始まり、間を取ってから台詞に入る流れが最近のお笑い芸人さんに通じるところがある…と言われた笑三郎さん。いきなり斜に 構えて流れ出したBGMが「ヒロシです…」の曲だったのでずっこけつつ大爆笑。袴姿なのに!
(例のBGMに合わせ)「ヒロシです…デートの時に女は少し待たせた方がいいというので5分遅れて行ったとです…。……誰もいなかったとです。」客席もう大爆笑。入れ食い状態。
次に演奏をBGMから黒御簾さんたちの演奏に切り替えて、歌舞伎バージョン「ヒロシです」。台詞口調も歌舞伎調。こ、これはかっこいいんだか笑えばいいんだかわかりません!かっこいい気もするし!でも言ってる中味は「ヒロシです。」の時と同じ「女を待たせたら云々」なのだから、可笑しくてたまりません。「浩二です。」と言う笑三郎さんの後ろから春猿さんの「浩二というのは笑三郎さんの本名です」という冷静なフォローが入って更におかしかったです。お腹がよじれる~。

お笑いコーナーはここまでで(笑)続いて上手に位置する義太夫さん達についての解説。
親切な事に今回は義太夫さんの節回しを上手下手にある電光掲示板に映すのだそうで、このあたりはさすが歌舞伎鑑賞教室と言うべきでしょうか。確かに今までなんとなしに聞いて理解してたつもりだけど、イヤホンガイドも借りたことない ので勘違いしてた部分もあるかもなぁ。
「女が泣き崩れ~♪」という節回しに合わせて即興で泣き崩れる芝居をする春猿さん、素顔でお化粧もしてないのに素で「あ、可愛い」とか思ってしまいました。(笑)
他にもツケ打ちさんに合わせて笑三郎さんも再び見得を切って見せたり、春猿さんは女形バージョンの見得を切ったりと見所満載のお教室でございました。
なかでも春猿さんが女形の所作を説明する時に足をどんなふうにしてるか見せるため袴をがばっ!とたくし上げておみ足を勢い良く出した瞬間、ドキッとしてしまいました。綺麗なんですこれが…手も白くて!!
春猿さんは義経千本桜の開演直前に花道の上で全員に向かって三つ指ついてご挨拶したんですが、ここでも見とれてしまいました(苦笑)爪も長くて透明のマニキュアを塗ってるようでした。
閑話休題。歌舞伎の女形は当然男性なので「リアルに女に見えるように」ではなく「女らしい所作」に重きを置い ているのだそうで、足を膝と足首でもぴったり着くようにして、歩くときも膝は離さないで歩くのだそうです。膝に紙を挟んで落とさないように練習したりとか。
肩幅も狭く見せるために(春猿さんが後ろを向いて実演)肩甲骨をギュっと寄せて、その状態で肩をすとんと落とすとあら不思議。撫で肩に見えるというわけ。
客席の皆さんもどうぞと言われたので私も試しにやってみましたが、これはけっこう苦しいです。こんな状態ではとてもじゃないけど歩いたり台詞言ったりできません(苦笑)つくづく役者ってすごいなあ。
他にも大向こうについての説明で春猿さんの声掛けに続いて客席全員に声をかけさせたりと、実に楽しいひとときでした。子供の声が一番大きかったのが微笑ましかったです。

最後に春猿さんによる鼓を打つ静御前と、その音色に誘われ花道のすっぽんから登場する笑三郎さんの源九郎狐というひと幕。ほんとに一瞬だけでしたが、いいもの見せて頂きました。(「静御前」「狐忠信」という名札をつけていて微妙に笑えました)

その後休憩を挟んで「義経千本桜~河連法眼館の場~」。
休憩に入った途端ガタガタと設営を始めたのでびっくり!
もしかしてこれ毎回やるんですか!?大変だ。

私がこの演目を初めて観たのは去年の歌舞伎座七月公演だったのですが、まだ歌舞伎を観るようになって日が浅かったため、ストーリーどころか狐忠信役の右近さん以外どなたが演じていたのか全然覚えていなかったという情けなさ。(苦笑)
でも、早替えなどのトリッキーな仕掛けや宙乗りが面白くてインパクトが大きかったのでした。
というわけで今日は落ち着いて見られました。

右近さん演じる佐藤忠信と狐忠信は、前回歌舞伎座で観た時より多少ほっそりした印象。
段治郎さんの義経は第一印象が「デカイ!」でした(笑)思いの他出番が少ないのですね、義経。(前回何を観てたんですか私)後半、狐忠信の正体が源九郎狐とばれてから、鼓を与えるくだりはとっても良かった。前半は「いるだけ」状態でちょっと印象が薄かったかな。

笑也さんの静御前は登場から綺麗でした。初音の鼓を打って狐忠信が登場するシーンで一瞬目を離してしまい登場した瞬間を見そびれたのは痛恨でしたが…どこから出てくるとか一応覚えてたつもりだったのにー!他の仕掛けは全部見れましたけどちょっと悔しい…;

狐が正体を現してからはもう目が放せない状態で、あっち見たりこっち見たり。
やっぱり源九郎狐は可愛いなあ。髪型と仕草のぷりぷり感が。
親である初音の鼓をもらったお礼に悪僧たちを打ち倒してから宙乗りで去ってゆくシーン。
これがまたすんごい目の前だったんですが、右近さんも客席の喜びっぷりにニコニコしていて、それがまた源九郎狐の喜ぶ様にぴったり合っていて良かった。宙乗り後半は演奏に合わせて客席みんなで手拍子打ってました。ノリノリ(笑)
客席に舞い散る桜の花びらが綺麗だったなぁ。お客さん達拾って帰ってましたね。
かくいう私もぴろっと一枚頂いて帰りました。

解説も含めとても楽しい2時間でした。母も楽しんでくれたようで良かったです。
一度しか観ない予定だったのですが、また観たくなりました。
もうチケット完売なのかなあ。観たいよー。





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最終更新日  2005年07月05日 11時16分00秒
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