カトレアの一代交配種の
C. Enid coerulea(C. エニッド・セルレア)が開花した。品種の登録そのものは1898年とずいぶん古いのだが、私が入手したものは、最近になってセルレアの個体を用いて再交配されたものである。交配親は原種の
C. mossiaeと
C. warscewicziiで、その未開花実生苗を購入したのが一昨年(2011年)6月ごろのこと。
未開花の実生苗というのは、まだどんな花が咲くか分からないため、それを買うのはまさに「賭け」である。人間が、親が同じでも子供の顔がそれぞれ違うように、ランの世界も同じ交配でも個体によって様々な花が咲く。開花までの年数は購入時の苗の大きさにもよるが、小さな苗からだと開花まで少なくとも数年はかかる。そして、必ずしも期待通りの花が咲くとは限らない。したがって、未開花実生苗を買うのはまさに「賭け」なのだ。
で、私は某業者にこの実生苗が売られているのを見て興味を持ち、あれこれ選んだ結果、直感的に「これだ!」と感じたものを1鉢購入。そして約1年8か月が過ぎ、ようやく初開花を迎えることとなった。私が直感で選んだ株にはこんな花が咲いた。
おお、期待通りセルレアの色が出ている(^^)。そして、原種同士の交配という割には花の形もなかなか良い。私が買った苗は「当たり」だったようだ。さらに、この株はもう1本リードが出ていて、そこからもつぼみが2輪上がってきているので、もう一度花が楽しめることになる。実は私は、ブルー系のカトレアの大輪整形花を育種したいという夢を密かに抱いているのだが、この個体を交配親として使おうかと思っている。春になったら一回り大きな鉢に植え替えてさらに良い花を咲かせてみたい。