園芸侍の「なんでも植物栽培記」

2016/06/26(日)22:32

ウチョウラン 自生地

山野草・野生蘭(84)

 今日は関東某所のウチョウランの自生地を見に行った。以前、その辺りにウチョウランが自生しているらしいという話を小耳にはさんで興味を持っていたのだが、詳細な場所までは不明。しかし、ホームセンターではちょうど開花株が出回る頃なので、そろそろ自生地でも開花が始まっているのではないかと思い、今日は体を張って(笑)奥地まで探索に行ってきた。すると、見事に自生地で最盛期を迎えた自生株に多数お目にかかった。 見よ、この実に愛らしい姿(*^_^*)。かつて景気が良かったころは、ウチョウランブームのあおりを受けて自生地は乱獲が進み、自生株を見るのが難しくなってしまったが、今日行った自生地では手の届くところにいくつも自生していたので、思う存分その姿をカメラに収めることができ、感激もひとしおだ。 興味深かったのは、その自生している場所の環境。ウチョウランは、渓流に面した湿った崖にコケやイワヒバなどと共に生えているとされる。また、九州などでは、苔むした樹上にも自生するらしい。しかし、私が行った自生地は渓流などとは全く無縁のゴツゴツした岩山なのだ。それも、周囲には日照を遮るような木も少なく、時間帯によってはモロに日光が当たりそうな岩ばかり。そんな岩山に、コケやイワギボウシなどと共に生育していた。  また、ウチョウランだけでなくイワギボウシもこんなところに生えているのが意外だった。イワギボウシも、私が見た複数の自生地では、いずれも常に水が滴る渓流沿いの崖に自生していたが(2006年4月16日の日記参照)、こんな乾燥した場所に生えているのが意外だった。おそらく、標高が高い場所なので、朝晩の霧から水分を補給しているのだろう。つまり、雨と霧しか水分を補給する手段がないという、過酷な環境で生きているわけだ。 上の2個体に至っては、岩に着生したごくごくわずかなコケの中に根を下ろしており、一体どうやって水分を補給しているのだろうと不思議に思った。また、こんな極限状態?の中でにたくましく生きている姿にいっそう感動を覚えた。ここは体を張らなければ(笑)たどり着けない場所だが、今日は来た甲斐があったと思う。現在ではウチョウランは人工増殖されて安価で園芸店やホームセンターに出回っており、私も栽培したことがあるが、栽培は容易である。しかし、自然の中で咲くウチョウランを見るのもまた楽しいものだ。今回は自生地で新しい発見があって非常に楽しい一日であった。

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