英語落穂拾い

2004/09/05(日)07:14

ifの中のwill

英語文法・語法(38)

If I am late (for the last train), I'll call you. If I will be late, I'll call you. (マーク・ピーターセン著『続日本人の英語』p.124) 学校では大抵、「時や条件を表す副詞節の中では単純未来のwillは使わない」と習い、「if節内に出てくるwillは意志を表す」というような説明を受けるが、これだと上の2番目の文が説明できない。ピーターセン氏によると、上の例文はどちらも正しいものであるが、意味が違うという。詳しくは、氏の著作を読んでいただきたいが、この2つの文の違いは、簡単に言ってしまえば、 「(終電に乗り)遅れたら、電話するよ。」 「遅れる(よう)なら、電話するよ。」 の違いではないかと思う。つまり、If I am late (for the last train)は、「乗り遅れる」という事態になってしまった状況(I am late (for the last train))を指し、if I will be lateは、「遅れるであろう」ことが予測される状況(I will be late. まだ、遅れてしまったわけではない)を指すようだ。 ところで、なぜ、条件や時を表す副詞節の中で未来の事柄を表すのに現在形が用いられるのかというのは、大変興味深い問題だが、これに関しては、昨日ご紹介した『英文法をこわす』の第2章に説明がある。詳しくは本を読んでいただきたいが、副詞節で表現された状況に身を置く感覚を現在形で表しているらしい。 考えてみれば、条件や時の副詞は、現在の状況・時間から離れて、「こんな状況に身を置いてみましょう」、「こんな時間に身を置いてみましょう」と、別の世界・時間へ連れ出す表現なので、その状況を生き生きと描くために、状況に「包まれた感触」(前掲書p.101)を持つ現在形が使われるのであろう。 上の例文に戻ると、その身を置く状況が、「遅れてしまった状況」ではなくて、「遅れることが予測される状況」(突然、残業が入ったとか、雨で電車のダイヤが乱れていたとか)である場合に、予測を表すwillが入ってくるのだと思われる。 私の勝手な解釈による誤解が入っていると困るので、是非、『続日本人の英語』と『英文法をこわす』の該当箇所をご一読いただきたい。

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