2006/11/09(木)19:22
レビュー#204 DR. STRANGELY STRANGE 《HEAVY PETTING》 70年アイルランド
Ballad Of The Wasps (Goulding)
Summer Breeze (Booth)
Kilmanoyadd Stomp (Pawle)
I Will Lift Up Mine Eyes (Goulding)
Sign On My Mind (Pawle)
Gave My Love An Apple (Booth)
Jove Was At Home (Pawle)
When Adam Delved (Pawle)
Ashling (Booth)
Mary Malone Of Moscow (Goulding)
Friends (Pawle)
Tim Goulding
vo, organ, p, recorder, harmonium, fiddle
Tim Booth
vo, g, b, banjo, harmonium
Ivan Pawle
vo, b, mandolin, harmonium, p, organ, g, whistle
Johnny Mounthay
bazouki
Dave Mattacks
ds, per
Gary Moore
g
Andy Irvine
mandolin
Brendan Shields (the Brush)
b
Linus
autoharp, finger cymbals, gull whistle, vo
Jay Myrdal
glockenspiel
Heather Woods
vo
Johanna
vo, harmonium
Annie Xmas
vo, harmonium
多数のゲストを招いて制作された2作目。
その中にはゲイリー・ムーアもいて、彼目当てで手に取る人もいるかもしれないですねぇ。…まてよ。ゲイリー・ムーアって1952年生まれだよね? 18歳にしてこのフィーチャー度はなんなのでせうか。元々仲が良かったので友達として弾きに来てもらったのか、ベルファストにはこんなすごいギター小僧がいるんだよ!と紹介する意味で呼んだのか、理由はわかりませんが興味深いところですね。
しかし雑多さでは前回のミスター・フォックスに負けてないです。
基本的にはのほほんとしたフォークロックなんだけど、ゲイリー少年の弾くエレキギターはやたらとブルージーで(違和感はまったくなし)、突発的に賛美歌やスメタナの“モルダウ”も出てくる。カントリーやバカっぽいラウンジミュージックもあるなあ。五重唱+ハーモニウム5台なんていうこともやってますねぇ。
マルチ奏者のメンバー3人が曲によってリードボーカルを分け合っていて、ロビン・ウィリアムソンに似てる人もいるなあ。あ、このバンドって「アイルランドのインクレディブル・ストリング・バンド」との異名を持ってるのかぁ。なるほどそれも納得、いろんな楽器を使ってキュートにしっちゃかめっちゃかしてる部分が共通しているし、何より全体の雰囲気が似通ってます。
でもヒッピー度数は少し落ちるかな。ISBは人間ドックで悪い結果が出ても「やばすぎる~アヒャヒャヒャヒャ」と天然で笑って終わりそうだけど、ドクター・ストレンジリー・ストレンジは表面上は軽く構えつつも影で健康になろうと努力してそう。
ジャケはロジャー・ディーン、レーベルはヴァーティゴとマニア諸氏は大喜びしそうです。
まあ私もこれ買った当時はフォーク云々でもISB云々でもゲイリー・ムーア云々でもなく、ヴァーティゴもの集めの一環として入手したのですがね。思えばあのころは一度入店すれば数時間は居座っていたっけ…ワールドディスクやユニオンのプログレ館に…と遠い目をする私なのだった。