英国民謡好きの戯言

2006/11/08(水)17:34

レビュー#221 DOLORES KEANE 《THERE WAS A MAID》 78年アイルランド

70年代女性ソロ(46)

The Generous Lover The Bantry Girl’s Lament (Ireland) Ta mo Chleamhnas Deanta (My Match Is Made) Lord Gordon’s Reel (Michael Coleman)/The Laurel Bush (Kathleen Harrington) Johnny And Molly The Shaskeen Reel (Michael Coleman) Lament For Owen Roe O’Neill Seven Yellow Gypsies Tommy Coen’s Reel (Tommy Coen) There Was A Maid In Her Father’s Garden The Carraroe Jig/Whelan’s Jig (Tommy Whelan) The Bonnie Bunch Of Roses O Dolores Keane and the Reel Union with Peadar Mercier and Mairtin Byrnes  今でこそ肝っ玉母ちゃんだが、ドロレス・キーンにも娘時代があったのだ。なんて当たり前の話は置いといて。  25歳になる年に発表された本作はソロ1枚目で、デ・ダナンへの参加はまだ先の話。しかし表舞台に出たのはこれが初めてではなく、チーフタンズや英国のリチャード&リンダ・トンプソンの作品に客演していた。  20代半ばといえど歌いっぷりには何の臆面もてらいもなく、まるで20年前から人前で歌い続けてきたような風格がある。  美声とはちと違うが深みのあるまっすぐな声で、聴き続けていてもまったく疲れない。アイルランドを代表する女性シンガーと認められていることを知らないあなたでも、本作を聴けば「なるほど、若い時からこの歌い方なら評判の高さも納得」となるのではないだろうか。  朗々とした歌唱が全体を支配、伴奏は気持ち程度と思いきやそうでもない。歌曲(無伴奏独唱がほとんど)とインスト曲にかっきり分けたのか、彼女の声が入っていない曲が意外と多いのに驚いた。  フィドルやパイプが登場し、数人でジグやリールを繰り広げる。ドロレス自身はフルートなどを吹いているようだ。  そういえばペダー・マーシアはチーフタンズに在籍していたことがあったっけ。それもごく初期に。  1914年生まれということだから78年の時点ですでに64歳、果たして今でもバウロンを叩くおじいちゃんとして存命なのかのー。  マーティン・バーンズもシェイマス・エニスとつるんでいたような歴史ある人物らしいぞ…。  そんなベテランに協力してもらってたんじゃ、若気ないアルバムが出来上がるのも当然といえば当然なのかも。

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