2006/11/08(水)17:29
レビュー#229 GRYPHON 《RED QUEEN TO GRYPHON THREE》 74年英国
Opening Move (Harvey/Taylor/Gulland/Overle)
Second Spasm (Taylor/Gulland)
Lament (Taylor/Gulland/Nestor)
Checkmate (Harvey/Taylor/Gulland/Overle)
Richard Harvey
key, recorder, krumhorn
Brian Gulland
bassoon, krumhorn
Graeme Taylor
g
David Overle
ds, per, tymps
Philp Nestor
b
気品溢れる音楽ならグリフォンも負けてない。土臭い古楽トラッドを展開した1作目、シェークスピアの「テンペスト」のために作った2作目、そしてこの3作目と進み、サウンドも少しずつ変化してきた。
邦題は「女王失格」(それにしてもナイスネーミング)、AB面各2曲ずつの大作で、ジャケの雰囲気もえらく良い。
全インストとなり、担当楽器の数も彼らにしてはシンプル化している。
リチャード・ハーヴェイはリコーダーよりも鍵盤を弾く場面のほうが多くなっており、とりわけピアノはあちこちで鳴っている。
2本の電気弦楽器(ギターとベース)の登場頻度もアップ、それでもなお、上品さは失っていない。ちょっとした管楽団とも言えるし、もちろん現代によみがえった中世音楽とも言える。
リコーダーやクラムホルンなど古楽器を巧みに操りながらも、ギターやベース、ドラムスといった現楽器を効果的にあしらって艶のあるサウンドに仕上げている。演奏技術も編曲も文句なし。