英国民謡好きの戯言

2006/11/03(金)22:00

レビュー#321 DR. STRANGELY STRANGE 《KIP OF THE SERENES》 70年アイルランド

50&60年代男性グループ(63)

Strangely Strange But Oddly Normal (Pawle) Dr Dim And Dr Strange (Goulding) Roy Rogers (Booth) Dark Haired Lady (Pawle) On The West Cork Hack (Goulding) A Tale Of Two Orphanages (Booth) Strings In The Earth And Air (Pawle) Ship Of Fools (Goulding) Frosty Mornings (Pawle) Donnybrook Fair (Booth) Ivan Pawle g, b, whistle, fiddle, per, vo Tim Goulding organ, hamoniu, p, recorder, glockenspiel, violin, stylaphone, vo Tim Booth g, mandolin, sazaphone, per, vo, cover concept Linus per, thumb-p, vo Jay Myrdal glockenspiel  水辺の岩に座り込んで楽器をこねる4人、うち1人はアホな鶏のお面をかぶっているというジャケからしてそそられるドクター・ストレンジリー・ストレンジの1作目。  スコットランドにインクレディブル・ストリング・バンドあればアイルランドにDSSありってことで、2枚作っただけでとっとと解散しちまいましたが、私の中ではISBに匹敵する存在感です。  気迫がまったく感じられない脱力シンギングといい加減な笛がたまらないなあ。とくにリコーダーのレベルの低さは、リコーダー部に所属していた小学6年時の私といい勝負な気がします。  3人ともたくさんの楽器をこなしていて、それだけならマルチプレーヤーなんですね!で済むけども、いざ聴くと器用貧乏以外の何者でもないんだよね。  絶対に技巧派とは言えないけど、どヘタクソでもない珍妙なバランスがなんとも味なんです。歌も演奏も適度に緩くて、聴きくたびれるタイプの音楽ではないですね。  高音女声バッキングが入るとこなんかもISBによく似ているけど(似てるっていうかそのまんま)、向こうよりも泣き節が多いかな。  雰囲気が悲しげというか、メロディがまんま短調なこと多し。歌メロもそうだし、バックで奏でる楽器のラインにしてもね。  持ち替える楽器の多さはすごいものがあるけど、この人たちは頑張らなくてもいいとこは遠慮なく手抜きしてそうな適当ミュージシャンっぽいので、緊張感の3文字とは無縁です。  ゆる~い流れが眠くなりそうで眠くならない不思議な音楽。  単なるおバカさんサウンドとも違うし、かといってひねられた複雑サウンドとは絶対に言いにくいし。  おくすりあり童話あり学芸会あり侘び寂びあり笑いあり涙あり…と、いい感じにごっちゃごちゃ。  次作ではブルース小僧ゲイリー・ムーアをゲストに呼んだりして雑多さにさらに磨きをかけています。

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