2006/11/03(金)17:56
レビュー#379 CAPERCAILLIE 《SIDEWAULK》 89年スコットランド
Alasdair Mhic Cholla Ghasda
Balindore: Miss Campbell Of Sheeness/Balindore (D. Shaw)/Irish Jig
Fisherman’s Dream (John Martyn)
Sidewaulk Reels: Argyll Reel/O’er Bogie/An Chearc is a h-Al/Mrs Dow/Maire’s Reel (Maire Bhreathnach)
Iain Ghlinn’ Cuaich
Fosgail an Dorus/Nighean Bhuaidh’ Ruadh
The Turnpike: Gest Reel/Keep It Up/Nine Pint Cogie/Pretty Peggy/Maureen Kennelly’s (C. McKerron)/The Turnpike
Both Sides The Tweed (Dick Gaughan)
The Weasel: Humors Of Cork/P. M. Jimmy Pryde/Weasel In The Dyke (J. MacKay)/MacLeod’s Farewell (D. Shaw)
Oh Mo Dhuthaich
Karen Matheson
vo
Marc Duff
recorder, whistle, bodhran, wind-synth
Manus Lunny
bouzouki, g, vo
Charlie McKerron
fiddle
John Saich
b, g, vo
Donald Shaw
accordion, key
スコットランドの男女混合グループ、カパーケリーの3作目。
本作からメイナス・ラニー(プロデュースを担当しているドーナル・ラニーの実弟)が新加入、ジョン・マーティンやディック・ゴーハンの曲をカバーするなど「おっ?」と思わせる要素もいくつかあるが、やはりカレン・マシスンの歌声にまずは意識が集中してしまう。
気取りがない幽玄な高音を操る彼女のシンギングは非常に美しく、個人的には声が好きな女性シンガーのトップ3には入れたいほどだ。
たまに付く男声バッキングがまた神秘的ながらも猛々しく、労働歌の1やマウス・ミュージックの6でその妙技を楽しむことができる。
歌入りは6曲、うち2曲が英語で歌われている。ゲール語同様、英語でもカレンが歌うとミステリアスな響きになってしまうようだ。
カパーケリーの演奏は汗を飛散させて熱演するようなダイナミックさはあまり感じないが、ただ左から右へ流れていくだけのBGMとも違う。
内なる熱情とでもいうか、派手さはないけれど確実に心に沁みてくるタイプで、各楽器のアンサンブルもバランスが良く的確だ。
とりわけ縦横無尽の蛇腹がいい味を出している。
正直に言うと、買った当時(2003年11月)は「カパーケリーってこんなもんなの…?」と知名度のわりには勢いが感じられないなあ、と少し落胆した私。
今回レビューのために聴く際にも「まあ適当に聴いて適当に書けばいっか」とものすごくいいかげんな態度で臨んだのだけど…。
うへぁ。こんなに素敵な内容だったっけ!? 2作目「クロスウィンズ」のレビューは結構厳しいこと書いたけど、こっちはは意外と美味!
どうやら本作はしばらく寝かせると熟成が進んで旨味が出てくるらしい。
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