2006/04/15(土)15:58
レビュー#645 SIMON FINN 《PASS THE DISTANCE》 70年英国
Very Close Friend
The Courtyard
What A Day
Fades (Pass The Distance)
Jerusalem
Where’s Your Master Gone
Laughing ‘Till Tomorrow
Hiawatha
Patrice
Big White Car
all music composed by Simon Finn
Simon Finn
vo, g, per
David Toop
g, mandolin, b, flute, key, violin, per
Paul Burwell
ds, tabla, per
Rob Bucklin
recorder
Ken Elliot
organ
インクレディブル・ストリング・バンド、フォレスト、ドクター・ストレンジリー・ストレンジなんかと同じ系統で語ることができそうですが、彼らよりもさらにだらしなく、眼差しはうつろで、ラリラリで脱力でおくすり臭たっぷりです。
今やっている男性SSW特集に出てくるメンツの中で、彼だけ妙に浮いてます。
ほかの皆さんは歌心を大切にした正統派フォーキーなのに、サイモン・フィンは「お前真面目にやれや!」と喝を入れたくなるような芸風。
しかしですね、このビミョーにアッパーなドラッグ感覚がたまらない魅力となっていることは確かなわけで。
適当に呟いているだけの曲もあれば、泣きながら怒鳴り散らしているような曲もあり、素面で聴いてると頭おかしくなりそうです。
とくに5ね。ここまでぶっ壊れてる曲、初めてかもしれない。
曲を聴く限り、この人は躁鬱気質な気がしてなりません。
うーむ、ニック・ドレイクとはまた違うタイプの暗さだなあ。
これはよほど勇敢じゃないと他人に聴かせることは難しいかも。
こういうアシッド・フォークって1人で聴いてるぶんには問題ないけど、オレンジレンジなんかを聴いてる人からすれば「あの人大丈夫かなあ…?」って思われること必至だよね。
ま、私自身はこれ、名盤中の名盤だと思ってるけどね!
私が買ったのは版元すらわからないバッタものくさいCDで(プチプチ音が激しく入っているうえに音のバランス悪し)10曲しか入ってませんが、多く出回っているのは14曲入りのもののようです。
んで出したのはこれだけかと思ってたら、2005年に2作目を出しておった。
しかしこの時点で20歳前か…。
身近にこんなぶっ飛んだ音楽性を持った19歳がいたら、皆さんどうします?
私はとりあえず少し離れたところから観察すると思います。下手に近付いたら生霊飛ばしてきそうだし。
★公式サイト→http://www.simonfinn.co.uk/
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