カテゴリ:音楽/その他
続き。 山田五郎→山 森田美由紀→森 岩本晃市郎→岩 宮武和広→宮 25. 【プログレ裁判 3】ポリリズム / PERFUME ![]() 森 これはおわかりの方も多いかと思います。PERFUMEの“ポリリズム”の間奏ですね。さあプログレどうでしょう。 山 これ難しい問題。要するにこれはテクノが…ジャーマン・テクノがプログレかどうかという問題とも絡んでくる。 岩 やっぱりね、プログレ=シンセ=ドイツ・ロックっていうそういう流れがあるんですよ。だから今山田さんが言ったようにドイツ・ロックかどうかっていうとこ。 山 それがそもそもプログレなのかどうかっていうのは昔から議論のあるところで、例えばタンジェリン・ドリームまではプログレだけどクラフトワークは違うだろうとか。そこ議論の分かれるところなんですよ。僕個人的にはプログレじゃないと思ってるんですよ。テクノは。 森 では宮武さん。 宮 うん。僕はね独自の見地で、これ聴きながら作業ができるじゃないですか。聴きながら作業ができるものってプログレじゃないと思ってるから。 山 あははははははは。なるほど。 岩 わかりやすい! 宮 聴きながらとても作業ができないと、手が止まると。これプログレの定義なんですね。これ聴きながら作業できるじゃないですか。だから僕はこれプログレじゃないと思います。 山 なるほど。 森 岩本さん。 岩 手法はプログレと言ってもいいかもしれない。元々テリー・ライリーとかスティーヴ・ライヒとかミニマル系のものとドイツ音楽は…重ねて、さっきそう言ったクラフトワークになっていくという。そういう意味で言うと手法はプログレだと思うんだけども、音楽としては僕は違うと思いますね。 森 違うという… 岩 違うと思います。 森 はい。山田五郎さん。 山 いやだから僕はその、テクノがプログレだと言うんだったらプログレだけど、僕個人的にはテクノはプログレじゃないと思うんで。違うかな。 森 なるほど。はい。PERFUMEの“ポリリズム”の間奏。お三方がプログレではないのではないかということですので、プログレではないと認めます。(槌の音カンカンッ) 山 中田ヤスタカさんも喜んでると思いますよ。「良かったプログレじゃなくて」って。 全員 (笑) 森 さあ、色々な曲に潜むプログレ的なもの。次の曲判定していただきたいと思います。 26. 【プログレ裁判 4】タルカス変奏曲 / KOKOO 森 演奏しているのは琴と尺八による現代邦楽ユニットKOKOO。曲はおわかりですよね。 山 “タルカス”ですよね。 森 はい、“タルカス変奏曲”です。さあ。 山 プログレじゃないのこれ? プログレでしょこれは? 森 疑問の余地なく。 山 プログレでしょ? わかんないけど。琴…演奏している楽器が違うだけで。 森 ですね。このKOKOOというバンドなんですけども、尺八の中村明一さん、そして琴の八木美知依さん、磯貝真紀さんによる邦楽を超越して活動するバンド…メンバーが集まったトリオなんですよね。循環呼吸を駆使した尺八、普通の琴ではあまり例のないスラッパー的な奏法など超絶技巧の演奏で知られるということなんですが。宮武さんいかがですか。 宮 これはもう疑問の余地ないですよね。プログレだと思いますこれは。 岩 プログレの曲ですよね。 宮 あははははは。 山 聞くだけ野暮ですよ。 森 早かったですね。はい。 山 それにしても“タルカス”はなんでこんなにいろんな人にね? クラシック界からジャズ界から皆一度は“タルカス”をやりたがるという。 森 やりたくなりますよね。ではこのKOKOO“タルカス変奏曲”。お三方全員一致でプログレと認めます。(槌の音カンカンッ) さていよいよ最後の曲にまいりました。お聴きいただきましょう。 27. 【プログレ裁判 5】ビッグブリッヂの死闘(ゲーム「ファイナル・ファンタジーV」) ![]() 森 お聴きただいているのはゲーム「ファイナル・ファンタジーV」から“ビッグブリッヂの死闘”です。さあここにプログレは。 山 これはプログレだと思っちゃうんですよね。プログレだと思っちゃいますよ。プログレだと疑われても仕方がないと思いますよこれは。 森 どのあたりがですか? 山 もうこのあたりがですよ。 森&宮 (笑) 山 君プログレだねって言われも仕方がないと思いますこれは。 岩 まったくその通りですね。たぶん作ってる本人もそのつもりで作ってますよこれ。植松さんはそのつもりで作ってますよ。 山 言ってほしそうな感じがしますよね。 岩 プログレでしょうね。これをもっとプログレッシヴ・ロックっぽくするにはバンドでちゃんと録って。これはたぶん1人で打ち込みでやってるからどうしても宅録風な匂いがするのでプログレッシヴ・ロックと言うまでにはいかないんですけども、バンドでちゃんと録ったらそうなっちゃいますよこれ。 山 なりますよね。 宮 どうもねこれ、隠れプログレキリシタンみたいな人が、この抑圧されながら、でも僕はプログレが好きなんだっていう愛をね、なんかこう自分のできる範囲に表現してるわなあというところがあるんですね。 山 宮武さんやっぱりプログレは抑圧されてるんですか。 宮 あのね、いろんなジャンルにだいたいありますよ。実はプログレ好きだけども誰にも言えなくて黙ってたんだ。 山 隠れプログレか。 宮 隠れプログレいらっしゃいますよね。そういう方の作品だから、そういうちょっとまあ、涙ぐましいものを感じるんで僕もプログレと認めてあげたいですよね。 森 そうしましたら宮武さんも認めたい。岩本さんも…? 岩 プログレですね。 森 山田さんも。 山 もうプログレと言われても仕方がないと思う。 森 これはもうお三方の意見共通でございました。ゲーム「ファイナル・ファンタジーV」から“ビッグブリッヂの死闘”プログレと認めます。(槌の音カンカンッ) 山 結構みんな意見が一致しますね。 森 一致しましたね。割れませんでしたね。 山 もっと割れるかと思いましたけどね。 岩 世代が近いし。耳がそうなってますからね。基準が同じなんですよたぶん。 山 これ若い人がいるとたぶんまた違う。 岩 どうして?とか言われちゃいますよね。 山 ミトさんぐらいになるとまた違うこと言うんですよ。 森 しかしプログレ的ってのは確かにいろんなところにあるんですね。 山 もの凄くいろんなとこに潜んでますよね。 宮 ありますね、ええ。 山 だって傘業界にも潜んでんだよ。 宮 あっはっはっはっは。 森 以上「俺たちが裁くプログレ裁判」でした。 続く。
Last updated
2011/10/15 04:59:28 PM
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