[2000年代無伴奏中心]の記事一覧 | 英国民謡好きの戯言

＃1074　BOB DAVENPORT 《THE COMMON STONE》　2004年英国

★右側フリーページのアルファベットは索引になっています★～～～～～～～～～～～～～～～～～Davenport’s Cakewalk (R Thompson)Song Of The Other Ranks (E Jones/B Davenport)Those Men We See (B Davenport)Jerusalem (W Blake/trad)Jockey To The FairWealthy SquireBottle Bank (B Davenport/trad)She Moved Through The FairYou Are My Sunshine (J Davis)The CuckooTrust No ManHeart Like A Wheel (A McGarrigle)Song Of A German Mother (B Brecht)The Drum (John Scott)The Dawning Of The DayDown By The GlensidePolice Patrol (B Davenport)The Sergeant’s Returned (B Davenport)/Kiss Me Goodnight Sergeant MajorYou Came Back Down The Long Road (B Davenport)The Colour (T Hardy)Wild, Wild Whiskey (B Davenport)Alabama Song (B Brecht/K Weill)Wild RoverI Am A RoverThe Summertime Is Come Again (Harry Lauder)Davenport’s Retreat (R Thompson) Bob Davenport（1931.5.31～）voChumbawambaacousticRichard Thompson（1949.4.3～）g, voMartin Carthy MBE（1941.5.21～）gMike Waterson（1941.1.6～）, Norma Waterson MBE（1939.8.15～）, Barry Coope（1949～）, Jim Boyes, Lester Simpson, John Tams（1949.2.16～）, Fi Fraservoproduced by Jim Boyesexecutive producer Tony Engle　現在77歳、録音当時73歳のボブ・ダヴェンポートの作品。　炭鉱ソングを集めた「アイアン・ミューズ」で歌っていたり、最近レビューしたものだとマイク＆ラル・ウォーターソンの「ブライト・フィーバス」にゲスト参加していました。　ラルは98年に亡くなってしまっているので当然いないけど、マイク、長姉のノーマ、その夫マーティン・カーシーが参加してますね。　その他ゲスト陣を見てみると歌担当が大量に。　コーラスに定評のある皆さんばかり、ウォーターソン姉弟にクープ・ボイアス・シンプソンの３人組。　ジョン・タムスもいればリチャード・トンプソンもいて、ギタリストを招いてはいるけれどほぼ無伴奏といっても差し支えないでしょう。　ここで初めて名前を知ったファイ・フレイザーは貫録充分のノーマとは対極に位置するようなキュートな声の女性です。　んで主役のダヴェンポート氏。　眉毛もまつ毛も真っ白になっているこのお方、70代とは思えない声をしているんですよ。　太くておおらかな歌声は悠々堂々、鯨のように気高くて。　きっと喉ばかりか顎や歯もしっかりしているに違いない。　そんな氏に加え、この合唱といったら！　曲によって歌う人数を変えているからワンパターンにはなっていなく、なじみ深いトラディショナルも多く収録されていて飽きが来ないんだ。　25はハリー・ラウダーが一人息子を戦争で亡くした後に書いた歌なんだって。　10のヴァース部分は娘のキャサリンが10歳の時に学校で習ってきたそうで。こういうエピソードも面白いね。　ダヴェンポート氏も多くの歌を書いていて、これがまたクオリティ高いのです。　ただの民謡歌手と見くびってはいかんね。　エンジニアにはオリヴァー・ナイト（ラルの遺児）とジョン・タムスがクレジットされています。　オリヴァーはあちこちに登場するなあ。知名度こそ従姉妹のイライザ・カーシーに劣るけど、ウォーターソン一族の中では最も稼いでいるかもしれんな。　本作は父親のトミー・ダヴェンポート氏（1910.3.23～1933.3.27）に捧げられました。　ずいぶんと若い頃に亡くなっているけど…戦争絡みかしら。　アコースティック担当のチャンバワンバって、10年ほど前に妙に恥ずかしい歌“タブサンピング”を大ヒットさせたあのチャンバワンバでしょうか。　彼らもかつてはフォーク系の音を作っていたらしいけど、あの歌の印象が強すぎて手が出ないんだよねえ。＜揺れるアラサー女の胸のうち＞子供の頃からの夢を実現させるための勉強をしたい気持ちが膨らんでいます。それは学校等に数年通って実務を経験し資格を取り、それでようやくなれる職業。依然として求職中、両親はどちらも定年退職しているうえに私は長子。現実を取るか夢を取るかで迷うけど、やらずに後悔するよりはやって後悔したいしなあ。人気blogランキングへ

＃1063　DEVIL’S INTERVAL 《BLOOD & HONEY》　2006年英国

★右側フリーページのアルファベットは索引になっています★～～～～～～～～～～～～～～～～～Green ValleySilver DaggerStudying EconomyThe Leaves Of LifeThe Well Below The Valley (Ireland)Two CrowsThe Bonfire Carol (England)A May Carol (McCormick)Down Among The Dead Men (John Dyer)The Cuckoo (England)Long Lankin (England/Child#93)The Midsummer Carol (England)Blow Me Jack Lauren McCormickvo, fluteEmily Portmanvo, concertinaJim Causley（81.10.31～）vo, accordionproduced by Doug Baileyphotography & design by www.David-Angel.com　古い音源が続き、前作、前々作とアメリカ産だったので英国産の若者を出すことにしました。　デヴィルズ・インターヴァルを知ったのは数年前の秋、新宿のディスクユニオンで催された白石和良氏のトークにて。　様々な音源がかかった中、デヴィルズ・インターヴァルが断トツで心に残ってね。　“ロング・ランキン”がかかったんだけど、若手でもこんな正統派トラッドをやる人がいたんだ、ってかなり興奮したんだ。　2008年１月にようやく入手できたんだけどさ、お買い上げ価格は驚きの2792円ですよ！　中古盤屋のヘヴィユーザーで基本の価格帯は1000円に設定している私としては相当な高額です。　それだけデヴィルズ・インターヴァルへの期待値が高かったってことね。　イングランド北部の大学で出会った３人組のデビュー作。　その他ジム・コーズリーがこの前年にソロを出していて、ローレン・マコーミックを全面に出した企画盤やウォーターソン：カーシーとの共演盤が出ています。　とくに影響を受けた音楽家として挙がっているのは…　サンドラ・カー　クリス・コー　ジョン・カークパトリック　サビーネ・ベアリング・グールド　アリステア・アンダーソン　ルイス・キレン　この６人。　私はまだ上記の全員は聴けていないからあまりはっきりしたことは言えないけど、歌唱の面ではウォーターソンズの影響も相当に強いと思います。　無伴奏シンギングではヤング・トラディションも有名だけど、デヴィルズ・インターヴァルは絶対にウォーターソンズ。　ウォーターソン：カーシーとも共演していることだしね。　まあヤング・トラディションの場合はピーター・ベラミーもロイストン・ウッドもとっくに鬼籍の人だから物理的にも無理なんだけど。　ジョン・カークパトリックとアリステア・アンダーソンは器楽奏者としての影響が強そう。　２人とも蛇腹奏者だし、エミリー・ポートマンとジムはそれぞれコンサーティーナとアコーディオンを弾くしね。　あ、ルイス・キレンもコンサーティーナ弾きます。シンガーとしてのイメージのが強いけど。　なおエミリーとアンダーソンはコンサーティーナが縁で過去３年に何かがあったようです。何かが。　そう、彼らは一応担当楽器はあるものの無伴奏で歌っていることが多いのです。　しかも私の愛する混成重唱ですよ！　男の子の声がしっかり低いのもまた良し。低音の滋味渋ぶりはマーティン・カーシーといい勝負です。気のせいか声まで似てる。（←これはかなりの高ポイントなのだ）　女の子２人もアルト～高くてもメゾソプラノ止まりで、全体的に落ち着いたトーン。　そんなところも今時の若者にしては珍しいなあと思っちゃうんだ。　自分と同世代かさらに下の世代の民謡歌手の作品は何枚か聴いてるけど、彼らほど（いい意味で）オールドスクールなトラッド・シンギングってそれまで聴いたことがなかったのね。　だから白石氏のイベントで初めて耳にした時には体中に電流が走ったし、アルバムを買って通しで聴いた時には最後まで心拍数は上がりっぱなしだったなあ。　有名トラッドがいくつか入ってますね。　このうち１はクリス・コー、５はプランクシティ、10はマーティン・ウィンダム・リードの歌唱で知ったんだとか。　衝撃的だった“ロング・ランキン”はチャイルド・バラッド93番に制定されているマーダー・バラッド。　ここでのバージョンはミリアム・バックハウスのものに一番近いかな。　公式サイト：http://www.thedevilsinterval.co.uk/　２作目まだ～？人気blogランキングへ

レビュー＃421　CHRISTINE PRIMROSE 《GUN SIREADH, GUN IARRAIDH》　2001年スコットランド

Ceann Traigh Ghruinneart (The Head Of Gruinart Sands)/Fraoch A Ronaigh (Heather From Rona)An Gille Dubh Ciar-Dhubh (The Dark Swarthy Lad)A Mhairead Og (Young Mairead)Bean A’ Chotain Ruaidh (The Lady Of The Russet Brown Coat)An Till Mise Chaoidh (Shall I Ever Return)Oganaich An Or-Fhuilt Bhuidhe (The Young Man With The Golden Yellow Hair)Oran Mu’n Ghruagaich (A Song About The Gruagach)Dheanainn Sugradh Ris An Nigh’n Dubh (I Would Sport With The Black Haired Girl)Soraidh Bho Granger (Granger’s Farewell) (George Gallacher)Do Ghaidheil Shiatail (To The Gaels Of Seattle) (Aonghas Dubh MacNeacail/Christine Primrose)Nach Truagh Leat Mi ‘S Tu’n Eirinn (Do You Not Pity Me Whilst You Are In Ireland)So Nam Shineadh Air An T-Sliabh (Here I Am Lying On The Hillside)Puirt A Beul (Mouth Music)Strath Ban (Strathbane)‘M Ath Bhanais Bhios Agam (The Next Wedding I Go To) Christine Primrosevo, chorusAlison KinnairdScottish harp, chorusDuncan MacGillivraygAlasdair Whitewhistle, fiddleIain MacInnesScottish small pipesSimon Thoumireconcertina　また2001年リリースの作品を出してみました。　スコットランドはルイス島出身のクリスティーン・プリムローズ、たぶん３作目。生まれは1952年、ソロデビューは81年だから随分と寡作な人ですな。　音楽以外に仕事を持ってるんだろうなあ。でなければここまでブランク空けないよね。　そろそろ五十路の大台に乗るクリスティーンおばさまだけど、歌声は20年前とまったく変わってないです。　全編ゲール語で歌われていて、無伴奏独唱が中心。いやぁもう幽玄と言うしかないですよ。視界を遮るものがほとんどない荒く涼しい平原の彼方から聴こえてきそうですねえ。　同じ人間の歌声でも劣化しない人は劣化しないんだなあ、ひょっとすると地声からしてすでに細い美しい声をしているのかも？と思ってしまいます。　デビュー作からの仲間アリソン・キナードのハープや元タナヒル・ウィーヴァーズのイアン・マッキネスによるパイプ、バトルフィールド・バンド出身のダンカン・マッギルヴレーのギターなんかが瑞々しいです。　不純物一切なし、徹底的に濾過された音楽ですね。北国の透明度の高い湖、摩周湖とかバイカル湖の畔が似合いそうな演奏です。　あ、シーズンオフの摩周湖畔で聴くと雰囲気出るかもしれない。バイカル湖は難しいけど摩周湖なら行ける可能性あるものね。　ちなみに歌詞・解説文とも英訳が付いてます。英語できないから書いてある内容は理解してないけどね！　タイトルは「Without Seeking, Without Asking」って意味らしいですよ。●13：カパーケリー「クロスウィンズ」（86）人気blogランキングへ