ザク
1作目『機動戦士ガンダム』では、一般的なザクの他にシャア・アズナブルが使用した赤い機体や旧式と呼ばれた機体も登場した。これらはそれぞれ「ザク」、「シャア専用ザク」、「旧ザク」と呼ばれ、テレビ版放映中にラポート社発行のアニメ雑誌「アニメック」においてそれぞれ「MS-06」、「MS-06S」、「MS-05」の型式番号が与えられ、後にみのり書房発行のアニメ雑誌「月刊OUT」別冊『GUNDAM CENTURY』においてMS-05は「ザク(便宜上ザクIと呼称)」、MS-06は「ザクII」という名称が与えられた。プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』 (MSV) では当初は別の設定を使用していたが、後にこの設定を取り入れたために広く普及することとなり、やがてサンライズの公式設定となった。1作目の外伝にあたる『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』には、改良型のMS-06FZ「ザクII改」が登場している。『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』においては、連邦軍に鹵獲されたMS-06F-2「ザクII F-2型」が使用されていたり、デラーズ・フリートでもF-2型が第一線で運用されている。これらの他、モビルスーツバリエーションとしてガンプラ向けにデザインされた機体や設定のみの機体など、ザクIIのバリエーションは非常に数多く存在する。これ以降にもザクの後継機が登場し、『機動戦士Ζガンダム』のハイザック、『機動戦士ガンダムΖΖ』のザクIII、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のギラ・ドーガ等がある。宇宙世紀以外を舞台とする作品でザクと似た位置づけのモビルスーツとしては、『新機動戦記ガンダムW』のリーオー、『機動新世紀ガンダムX』のジェニス、『機動戦士ガンダムSEED』のジンなどが挙げられる。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ではザクウォーリアやザクファントムという機体が登場している。変わったところでは、『∀ガンダム』にてザクI及びザクIIにそっくりの機体が発掘され、戦力として使用されている。これらを地球の人々はボルジャーノンと呼んだが、月の民ムーンレィスの中にははそのものずばり「ザク」と呼ぶものもいた。開発の背景宇宙世紀0070年代、ミノフスキー粒子の実用化に成功したジオン公国は、ミノフスキー粒子を散布した状況の下(電波通信などが一切使えなくなり、レーダーや長距離精密誘導を行う兵器も一切使用不可能となる)でも有効な白兵戦用兵器の開発に着手した。ただし、当初は表向きを「宇宙での作業用人型機械」という名目で開発していた。しかしその実体は来るべき地球連邦政府との全面戦争を有利に展開させる為の兵器であった。そして宇宙世紀0073年、新型の兵器第1号機が完成し、MS-01という型式番号とモビルスーツと呼ばれる名称を与えられた。これがザクの原型機である。その後幾度かの改良を経て初の制式量産型モビルスーツ、ザクI、そしてこれを改良したザクIIが誕生する。その後、一年戦争の開戦時にはザクはそれまでの戦争の概念を大転換させ、ジオン公国の圧倒的な攻勢をささえた。ザクIは既に2線級の機体として主に後方で、ザクIIが主力として大量に量産され最前線に配属されていった。しかし、後に地球連邦軍もモビルスーツを開発、モビルスーツの性能競争が激化する中、次第にザク自体が旧式化していく。だが、一年戦争末期においては新型機の数が不足したり、コクピットでの操作などに関する機種転換訓練のための時間がなかったりしたことから、結局終戦までザクは最前線で、または後方などで使い続けられ、戦い続ける事となった。宇宙世紀におけるザクX-91 XC 大型二足歩行機 AMBAC試験用スペースポッド ZI-XA2 MS-01 (ZI-XA3) クラブマン モビルワーカー01式 MS-02 MS-03 MS-04 プロトタイプ・ザク MS-04 試作型MS-04 MS-04 アーリー・ザク MS-05 ザクI MS-06 ザクII MS-11 アクト・ザク XCバンダイの雑誌「サイバーコミックス」第1号の年表に登場。NASAが開発したとされる。ザクの名はこのXCから取られているとされる。(型式番号:X-91)なお、「サイバーコミックス」の年表では宇宙世紀0001年が西暦1969年とされているので注意する必要がある。AMBAC試験用スペースポッドメディアワークス発行の書籍『機動戦士ガンダム MS大全集2003』に登場。スペースポッドにAMBACシステムとモノアイを搭載した機体。なお、『GUNDAM CENTURY』にもAMBACの動作を説明する機体が登場している。大型二足歩行機バンダイ発行の書籍『MS-ERA』に登場する、「コケるモビルスーツ」のこと。漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』によれば、宇宙世紀0070年5月のことであるという。ZI-XA2機体諸元 名称なし型式番号 ZI-XA2 建造 ジオニック社ズム・シティ工廠 全高 13.5m頭頂高 13.5m本体重量 15.5t 武装 なし エンターブレイン発行の雑誌「G20」第2号に登場。ジオニック社がクラブマンに先んじて開発した機体。大型二足歩行機を意識したデザインになっている。クラブマン機体諸元 モビルスーツ1号機 "クラブマン" 型式番号 MS-01 (ZI-XA3) 建造 ジオニック社ズム・シティ工廠 全高 13.5m 頭頂高 13.5m 本体重量 17t 武装 なし クラブマンは、アニメ『機動戦士ガンダム』において設定上存在する、史上初のモビルスーツ。単にモビルスーツ、モビルスーツ1号機、新型兵器1号とも呼ばれる。(型式番号:ZI-XA3 あるいは MS-01)設定は『GUNDAM CENTURY』から存在しており、『モビルスーツバリエーション』においても記述がある。なお、クラブマンの名称は旭屋出版発行の書籍『機動戦士ガンダム 劇場用アニメ第1作 フィルムコミック』が初出。デザインはエンターブレイン発行の雑誌「G20」が初出。モビルワーカー01式漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。史上初のモビルスーツであるがその呼称はモビルワーカーとして偽装されている。クラブマンと同一の機体であると思われる。MS-02クラブマンに次いで開発された機体。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場している。MS-03MS-02に次いで開発された機体。講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』にて描かれたモビルスーツが本機ではないかとされている。アーリー・ザク機体諸元 アーリー・ザク 型式番号 MS-04 建造 ジオニック社ズム・シティ工廠 全高 14m 頭頂高 14m 本体重量 31.2t ジェネレーター出力 962kW 武装 なし エンターブレイン発行の雑誌「G20」第2号に登場。なぜかプロトタイプ・ザクとは全く異なる機体になっている。(型式番号:MS-04)試作型MS-04機体諸元 試作型MS-04 型式番号 MS-04 設計 ジオニック社 建造 ホシオカ 頭頂高 17.5m 本体重量 31.2t 総重量 57.4t 全備重量 72.5t ジェネレーター型式 ZAS-X7 ジェネレーター出力 953kW 馬力 6,100Ho スラスター総推力 43,000kg 180°ターン時間 3.8秒 装甲材質 超硬スチール合金 歩行最高速度 120km/h 作動温度 -85℃~600℃ 生命維持限界稼動時間 168時間 主な搭乗者 ミオン・ホシオカ 試作型MS-04(しさくがたMS-04)は、漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』に登場する、ジオン公国軍の試作型モビルスーツ。MS-04プロトタイプ・ザクの試作機である。この頃はまだザクという名称はつけられていない。(型式番号:MS-04)漫画『Developers 機動戦士ガンダム Before One Year War』にて、ジオニック社の下請けの重機製造会社ホシオカに製造を依頼された作業機器の試作品。後のザクとなる機体で、初の熱核反応炉を搭載した、独立稼動機器である。これまで、このような巨大な人型の機械は製造された記録がない。そのため、製造に関しては部品を作るための機械から作らねばならず、ほかにもこの時代の融合炉には無くてはならないミノフスキー粒子がもたらした弊害、画期的な新型システムAMBACに対応するOSのバグなど、数多くの障害を乗り越え建造されたもの。全部で2機作られた。試作機のためカラーリングは山吹色。デザインはプロトタイプ・ザクから比べてある程度簡略化されている。アーリー・ザクも多少意識しているようである。プロトタイプ・ザク機体諸元 プロトタイプ・ザク 型式番号 MS-04 建造 ジオニック社ズム・シティ工廠 頭頂高 17.5m 本体重量 57.4t 全備重量 72.5t ジェネレーター型式 ZAS-X7試作型 ジェネレーター出力 953kw スラスター総推力 43,000kg 装甲材質 超硬スチール合金 武装 100mmマシンガン 主な搭乗者 エリオット・レムミオン・ホシオカ プロトタイプ・ザク (PROTOTYPE ZAKU) は、バンダイ発行の雑誌「SDクラブ」の連載企画『大河原邦男コレクション』 (M-MSV) に登場する、ジオン公国軍の試作型モビルスーツ。(型式番号:MS-04)MS-03の3号機を改良して製造された。一説によれば初めて核融合炉を搭載したとされる。搭載している核融合炉はZAS社のZAS-X7試作型。設定は『GUNDAM CENTURY』から存在しており、『モビルスーツバリエーション』においても記述がある。なお、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、こちらのデザインとは異なるMS-04が登場している。MS-03を意識したデザインであり、頭部形状などはアーリー・ザクに近い。宇宙世紀におけるその後のザク(ザクの名が付く機体のみ)RMS-106 ハイザック AMX-011 ザクIIIOMS-06RF (MS-06RF) RFザク MS-50 ザク50 ザク・タンカー RFザク漫画及びプラモデル企画『機動戦士ガンダムF90』に登場。オールズモビル(火星独立ジオン軍)が開発したモビルスーツ。最新の技術を用いたMS-06ザクIIのリファイン機。(型式番号:OMS-06RF)ザク50ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場。宇宙世紀0130年に、アナハイム・エレクトロニクス社がデモンストレーション用に開発したザクに似たモビルアーマー。(型式番号:MS-50)ザク・タンカーテレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。前部がザクの顔に似たホバートラック。正暦におけるザクMS-05 ギャバン専用ボルジャーノン MS-06 ボルジャーノン ボルジャーノン機体諸元 ボルジャーノン 型式番号 MS-06所属 ルジャーナ・ミリシャ 頭頂高 17.5m ジェネレータータイプ MY 装甲材質 超硬スチール合金武装 ボルジャーノン・マシンガンボルジャーノン・バズーカヒートホーククラッカー 他 ギャバン専用ボルジャーノン 型式番号 MS-05 主な搭乗者 ギャバン・グーニー ボルジャーノン (BORJARNON) は、アニメ『∀ガンダム』に登場する、ルジャーナ・ミリシャの発掘モビルスーツ。ルジャーナ領のマウンテンサイクルで発掘されたため、その領主の名前からボルジャーノンと名付けられ、ミリシャの戦力として多数発掘された。外見は『機動戦士ガンダム』に登場した名モビルスーツザクIIとほとんど同じであるが、全体的なシルエットやコックピットの構造などに差異が見られ、おそらく後世に製作されたレプリカであると思われる(ザクは腰が回転しないが、ボルジャーノンは回転する、など)。カラーリングはすべてグリーンで統一されていた。また、ザクI(旧ザク)に似た機体も1機のみ発掘され、こちらは隊長機として使用されたが性能は悪かったようである。この機体にはギャバン・グーニーが搭乗。このギャバン専用ボルジャーノンのみはブラックで塗装されていた。レット隊はボルジャーノンを「ザク」と呼んでおり、ザクもガンダム同様に宇宙の民の間で語り継がれていることを示唆している。作中、ボルジャーノンはカプルとともに地球勢(各地のミリシャの連合軍)の主力として活躍、主にマリガン大佐指揮下のギャロップで運用された。うち2機はウィルゲムに搭乗し月へ訪問。ハリー・オード大尉指揮のもと親衛隊と共同戦線をはり、アグリッパ・メンテナーのクーデターを阻止、月に平穏を取り戻した。しかしグエン・サード・ラインフォードの裏切りにあったため、∀ガンダムやカプル、親衛隊とともにホエールズで地球へ帰還。帰還後は再びマリガン指揮下に入ったようで、ギャロップと行動を共にしていた。企画当初はイフリートがボルジャーノン役として登場する予定であったが、結局ザクが登場することとなった。キャノン・イルフートというイフリートと似た名前の機体が登場したのはこの名残であるという。