テーマ:好きなクラシック(2327)
カテゴリ:掘り出し物を見つけて
最近は,CDやDVDの購入はHMVやAmazonでのネットショッピングと,CD/DVD店の店頭での購入が半々くらい.しかし「My掘り出し物」が見つかるのは,もちろん後者.だから,時間があるときにお店に入るのも貴重ですね.
11月6日の月曜日,東京は新宿御苑前駅近くの会議室での会議が午後3時からというのに,午後2時からと勘違いして電車に乗ってしまってからそれに気がつき,経由駅の秋葉原で時間つぶしということに.そこで,タワーレコード秋葉原店に入っていろいろみていたら,My掘り出し物が見つかりました~.今日はそのひとつをご紹介. グルダとザヴィヌルによる2台ピアノの音楽のCD(直輸入版,CAPRICCIO 67175)です.私の目を引いたのは,グルダがハイドン・ヴァリエーションを弾いていることでした.ご存知のように,私はブラームス作曲のハイドンの主題による変奏曲 作品56 が好きな曲のひとつなのですね.ブラームスは管弦楽版の作品56aとピアノ2台版の作品56bというように,同じ曲を違う楽器で両方残しています.詳しい経緯はよくわかりませんが,単に片方が片方の編曲,というものではなさそうです.最初の主題が耳に優しく,そして親しみやすく高貴な感じのするのがいい,と思っています. 一方,グルダといえば,2000年に70歳くらいでなくなりましたが,名ピアニストの一人であるとともに,いわゆるクラシックの枠を超えジャズにもその名をはせたピアニストとして有名です.私はアーノンクールの指揮で,ロイヤル・コンセルトへボウオーケストラと共演したモーツァルトの23,26番のピアノ協奏曲の録音がとっても好きでよく聴いているのですが,そのゆえ,「グルダ+ハイドン・ヴァリエーション」というカップリングをみて,ン?!,と思ったわけです. このCDのグルダの相方はジョー・ザヴィヌル.1932年生まれで,モダンジャズの開拓者であったマイルス・デイビス・グループの卒業生.1970年代から80年代半ばにかけて「ウェザー・リポート」というグループで多くの足跡を残したとあります.グルダがジャズへの転身をこころみたのも1970年代,そしてグルダは1930年生まれであり,グルダもザヴィヌルもウィーン生まれ,ということもあり,意気投合,ということもあったのでしょうね. このCDの録音は1988年で,ケルン・フィルハーモニーでのライブ録音です.1曲目が,そのハイドン・ヴァリエーションですが,ドイツ語でのおそらくグルダの短い語りのあと(ドイツ語が理解できないのが悲しい,わかる単語はちょっとあっても文意がつながらない...)曲が始まりますが,最初の1分55秒位,即興的なフレーズが演奏され,それから連続的にハイドン・ヴァリエーションに入ります.最初,ハイドン・ヴァリエーションのテーマが始まらないので,あれ,CDケースの外身と中身が間違って入っていたのかな?とあわててしまいました.さすが,ジャズの即興的なところから始まっていました.演奏も快活でフレーズのはっきりしたメリハリある演奏ですが,この曲の渋さも十分に出ている正統を感じる演奏です. 2曲目はグルダ自身の作曲による「2台ピアノとバンドのための変奏曲」.これはジャズ!ですね.この変奏曲の途中で,ハイドン・ヴァリエーションの主題を模したテーマも現れ,なぜグルダが,これらの曲をカップリングしたのか,あるいはハイドン・ヴァリエーションの冒頭で即興をいれたのか,わかる気がします.かれは,とにかくエンジョイしている!そんな感じが伝わる演奏です!この曲は16分半くらい. そして3曲目は,ザヴィヌル自身の作曲による「ヴォルケイノ・フォー・ハイヤー」でした.これは4分半. ライブ録音で拍手も沢山入っていて,臨場感満点の録音でもあります.これ,結構おすすめのCDかもしれません.発売は今年の7月らしいので,まだあまり知られていない録音だったかもしれません.ちょっと暇つぶしに入ったCDショップでの掘り出し物を見つけたお話(その1)でした. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 13, 2006 02:37:31 AM
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