クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

2007/01/12(金)02:16

サキソフォンでバッハの無伴奏チェロを-清水靖晃&サキソフォネッツ

聴き耳をそばだてると(11)

よく知っていて,聴きなれた音楽が,いつもと違った音色(楽器)で聞こえてくると,ん?!,となって瞬間的に頭が聴き耳モードに切り替わる.ついで,その編曲がとても心地よかったり,ユニークだったりすると,誰の演奏で,どんな人が編曲したのか,などの好奇心が頭を巡りはじめるのですね.それがFMなどの音楽放送なら,その曲が終わるまで聴き,その曲名や演奏者のアナウンスがあるのを待ち構えるのですが,それがCMのバック音楽だったら? それで思い出すのが,10年位前に発売されたCDですが,テナーサックス奏者の清水靖晃さんとそのお仲間のサキソフォネッツの,バッハの無伴奏チェロソナタをサックスのソロをメインに,サキソフォネッツメンバーがサポートしたもの.もう10年くらい前だったかか,あれは自動車のホンダのCMで,この編曲がBGMにながれたときでした.その後2,3年して,こんどはトヨタが同じ編曲をBGMに使っていたけれど,これは短命だった気がします.調べてみると,この車のCMのほかにも,資生堂のWhitess EssenceのCMにもかつてつかわれましたし,最近はまた別のCMでオンエアされているらしい. CMで使われたのは,バッハの無伴奏チェロ組曲第1番の第1曲目.これが残響の長~いホールで響き豊かに録音されていて,耳にとても心地よく響くので,なるほど,こんな演奏もあったか~と感じちゃうのです.CMに流れた曲を調べるのは,CM Now という雑誌がよくて,その時々のオンエア中のCMの曲目とアーティストのリストが載っています.その昔,この演奏をCMで聴いたとき,それを調べて清水さんの演奏であることがわかり,これをキーにCDを探して注文して聞いてみる,ということになりました.それで当時手に入れたのが,これ↓ 写真の上のCDがチェロ組曲の1番から3番まではいった「Cello Suites」,左下が「Bach Box」,右下が「Suite I」です.それで,このチェロ組曲の第1番の第1曲に関しては,この3枚のCDでそれぞれ違った編曲を聞くことができます.「Cello Suites」はソロで,「Bach Box」では合奏,そして「Suite I」の第8トラックは資生堂のWhitess Essence でつかわれた「Bach Box」とは違う合奏版です.いまここでリンクした先はHMVですが,ここで3枚のすべてのトラックの試聴ができます.耳触りがいいです.お試しください.第4組曲から第6組曲まで入ったCD,全6曲をDVD Audioのフォーマットで録音した版もありますが,私はまだ手に入れていません. また,ここから「Yasuaki Shimizu & Saxophonetts」のボタンを押し,さらに右側に出てくるアイコンから,黄色のBach suites のアイコンを押すとライナーノートが全文掲載されています.こちらもご覧になると面白いかもしれません.組曲ごとに,残響の長い場所を探して演奏していることもかかれています.第2組曲の録音場所は,なんと栃木県宇都宮市郊外の大谷石の採掘跡の地下空間です.演奏を聴くと,遠くて水が,ポチョン,と滴る音が入っていて... それにしても,このチェロ組曲も,このサキソフォンによる演奏だけでなく,さまざまな楽器で演奏されていますね.今井信子さんはビオラで録音していますし,バイオリン,ギターでの演奏もあります.ホルンの演奏もあるようです.私はフルートの演奏も趣味ですが,これはアルトフルートで吹くと,これも意外といけるかもしれませんね...

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