テーマ:社交ダンス(8311)
カテゴリ:アートのはなし
ボストン美術館は2020年に設立150周年を迎えるそうです。
新型コロナウィルスの感染拡大がなければ、4月16日から7月5日まで東京都美術館で開催される予定だったボストン美術館展。 ずっと楽しみにして冷蔵庫に入場券貼ってたんですけど残念ながら中止になってしまいました。 昔から芸術は力の象徴でした。 戦利品として没収したり、お抱えの画家に肖像画を描かせたり、資産として収集する貴族もいましたね。 この展覧会では、ボストン美術館所蔵の古今東西の権力者たちに関わる作品およそ60点が展示される予定で、しかも半分以上が日本初公開とのことでした。 増山雪斎『孔雀図』江戸時代、享和元年(1801) 先週のアートステージでも紹介されていたんですが、国宝級の日本の絵巻が里帰りすることになっていました。 奈良時代、吉備真備の活躍を描いた『吉備大臣入唐絵巻』と、平安時代の平治の乱を描いた『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』です。 なんでそんな国宝がアメリカにあるんだというあたりも含めて興味深いですね。 『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』鎌倉時代、13世紀後半 王侯貴族の肖像画や、大富豪が身に付けた宝石、ナポレオンの最初の妻所有の絵皿など、それほど興味津々というわけではありませんが、写真で見ると目を奪われる品々です。 一番見たかったのはカナレットの絵でした。 カナレット『サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂、サン・マルコ沖から望む』 1726-1730年頃 眩しい海辺の太陽を感じますね。 カナレット(本名ジョヴァンニ・アントニオ・カナール)は18世紀に活躍したヴェネチアの画家で、写真みたいなヴェネチアの絵をたくさん描いているんです。 父親のベルナルド・カナールも画家だったので、『小カナル』という意味のカナレットと呼ばれていました。 めんどくさいのは甥っ子のベルナルド・ベッロットも有名な画家で、叔父の名前を借りて同じくカナレットとも呼ばれたりしていたんで混ざるんです。 超写実的な画風もそっくり。 以前ご紹介したドレスデンの絵は、甥の方のカナレットの作品でした。 叔父さんの元で修行を積んだそうですから、似てくるのも当然ですね。 話は変わりますが、ヴェネチアの仮面舞踏会の様子を先日テレビの特集番組で見ました。 2020年2月15日から25日まで、まさにこの絵に描かれている場所で華麗なイベントが予定されていたんです。 しかし今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、イベント最終日まで実施することができませんでした。 クライマックスの最終日まであと2日を残した夜に『今日でイベントは終わりです』と発表された時の観光客の呆気にとられた顔が印象的でした。 ヴァネチアは14世紀あたりからペストと戦ってきた歴史があります。 今は閑散とした状態ですが、きっと来年は復活してまた新しい仮面舞踏会を見せてくれることでしょう。 ボストン美術館展も、また企画して欲しいです。 公式サイトはこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/05/01 01:00:24 PM
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