テーマ:社交ダンス(8310)
カテゴリ:アートのはなし
パリのルーブル美術館で、他の絵画よりもより厳重に守られて展示されているレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナリザ』は、なぜイタリアではなくフランスにいるのでしょうか。
モナリザといえばルーブルという感じでこれまで何の違和感も持ってなかったんですが、イタリア・ルネッサンスの巨匠ダ・ヴィンチの代表作がパリにあるのは確かに変ですね。 毎週楽しみに見ている番組アート・ステージ~画家たちの美の饗宴~の2020年最後の放送テーマは『フランス美術の幕開け フォンテーヌブロー派』でした。 フランス王フランソワ1世(在位1515年-1547年)は芸術を愛する王様で、イタリア戦争でルネッサンス文化の素晴らしさを目の当たりにし、芸術面で大きく遅れをとった自国に是非とも芸術の花を咲かせたいと願うんです。 内政を立て直すとフォンテーヌブロー宮殿を建設させ、天才レオナルド・ダ・ヴィンチをフランスへ招きました。 大きな屋敷を与えて厚遇しますが、この時すでに64歳だったダ・ヴィンチは3年後に亡くなってしまうんです。 このアングルの絵はレオナルド・ダ・ヴィンチの死を嘆くフランソワ1世を描いています。 ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル『レオナルド・ダ・ヴィンチの死』(1818) プティ・パレ美術館 ダ・ヴィンチが死ぬまで絵を手放さなかったおかげで、モナリザの絵はフランスに残りました。 そしてパリのルーブルに展示されるようになったというわけです。 フランソワ1世はフォンテーヌブロー宮殿に多くの芸術家を招き、その技を競わせました。 ロッソ・フィオレンティーノを代表とする弟子たちなど作者不明の素晴らしい絵画が多く残っていて、その独特なマニエリスム様式はフォンテーヌブロー派と呼ばれています。 ジャン・クーザン (父)『エヴァ・プリマ・パンドラ』 (1550年頃) ルーブル美術館 マニエリスム様式はルネッサンス様式とは異なり、実際よりやけに小顔で手足の長い人物描写とか、ねじれたポーズが特徴的です。 これがきっかけでフランス・ルネッサンスは開花し、その後にロココや新古典主義や印象派などが続き、芸術の都と呼ばれるようになったということです。 フランソワ1世の息子アンリ2世の奥さんが、これまた有名なカトリーヌ=ド=メディシス。 ニースのガイドさんの話によると、これまで手づかみで食べてたフランスにナイフやフォークやスプーンで食べる文化をもたらします。 カトラリーの語源の方です。 モナリザとカトリーヌがイタリアから渡ってきた16世紀から、フランスは洗練された文化国家へと発展して行ったんですね。 家に飾りたくなるアート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/12/20 03:22:48 PM
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