テーマ:社交ダンス(8633)
カテゴリ:映画のはなし
イタリアの風光明媚なある村の丘の上に小さな古本屋がありました。
店主はリベロ(自由)という名の気のいいおじいさん。 本を売りにくる人、買いに来る人、個性的な客たちをいつも暖かく迎えています。 隣のカフェで働いているニコラは世話好きのお節介な青年で、よく店にやってきてはリベロとおしゃべりしていました。 ニコラはキアラという家政婦に片思い中。 彼女が探していた本を見つけてあげることで、デートのきっかけを作ります。 毎朝やってくるボジャンは、ゴミ箱をあさっては古本などを持ち込んで小銭を稼いでいます。 1950年代にアメリカに移住した若い女性の日記を買い取って、リベロはそれを物語を読むように少しずつ読んでいくんですが、実に味があるいい話なんです。 日記を読むとき、必ず古いオルゴールをBGMとして鳴らすんですけど、それがレトロな雰囲気を倍増させていました。 教授と言われていた男性は、自分が書いた本をもう一度手に取りたいと探しています。 分厚い昔のラテン語の辞書などを持ち込んではリベロに買い取ってもらって、隣のカフェでスイーツを食べるのがお決まりのコース。 買いに来る人もいるんですよ。 『我が闘争』が愛読書だと言うスキンヘッドの男や、ネットで買うと趣味がバレるからと古本屋にやってきたSM趣味の女。 初版本を集めているという収集家の男性など。 でも誰よりも本好きなのは、店の外で本を眺めていた移民の少年エシエンでした。 お金がないから買えないと言うエシエンに、リベロは彼が興味を持っていたミッキーマウスの漫画を貸してあげることにします。 公園で一気に読み終えたエシエンは、すぐに返しにいくとまた別の漫画を貸してくれました。 その日からリベロとエシエンの心の交流が始まるんです。 漫画はそろそろ卒業して、この本を読んでごらんと『ピノキオの冒険』を与えます。 エシエンは本当に本が好きで、返しにいくたびに内容についてリベロと語り合い、また次の本を借りていきました。 『丘の上の本屋さん』はクラウディオ・ロッシ・マッシミ監督・脚本による2021年のイタリア映画です。 85分の短い映画ですが、心に沁みるいい話です。 とても風景が美しくて、サンマリノもこんなところがあったなあと懐かしく思い出しました。 『図書館て、ないのかな。』 僕もそう思ったと、大将も言ってました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/09/19 06:06:22 PM
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