テーマ:社交ダンス(8781)
カテゴリ:映画のはなし
シャイロックは、シェークスピアの『ヴェニスの商人』に登場する強欲な金貸しです。
池井戸潤の物語はどれも面白いので、この映画も期待して見ました。 金はただ返せば良いってもんじゃない…。 東京第一銀行の小さな支店で働く人々の表と裏の顔が、実に巧妙に絡み合っていきます。 銀行で100万円の現金紛失事件が発生しました。 行員総動員で捜索にあたりますが現金は発見できず、真面目な女性行員の北川(上戸彩)のロッカーから札束に巻く帯封が見つかったことで容疑者になってしまいます。 本店検査部の黒田(佐々木蔵之介)が調査に訪れました。 支店長の九条(柳葉敏郎)と副支店長の古川(杉本哲太)は、100万円は出てきたと説明にあたりますが、紛失した現金を幹部数名がポケットマネーを出し合って穴埋めしていたんですね。 金はただ返せば良いってもんじゃない…。 しかし捜査にあたった黒田も、人に言えない罪を背負っていました。 一時期競馬にハマっていて、支店のキャッシュボックスの金を補填する際に少々着服しては競馬に注ぎ込んで戻すという危ない橋を渡っていたんです。 危うくバレそうになってやめたんですが、実は見ていた人がいたんですね。 この支店で成績トップの滝野(佐藤隆太)は、他の行員たちが怒鳴り散らされている中、営業会議で唯一人のヒーローでした。 良い夫、良い父親で、銀行員の鏡のような男です。 しかし実は大口融資先の社長(橋爪功)に過去の因縁からたかられていました。 その社長は相当なワルで、返済の遅れを滝野に肩代わりさせたりするんです。 犯人扱いされて納得できない北川は、現金を無くして事件の中心にいた田端(玉森裕太)と上司の西木(阿部サダヲ)とともに真相を探っていきます。 西木は兄の借金の連帯保証人となっていたことでヤミ金業者にしつこく取り立てられていました。 みんなそれぞれ金で苦労してるんですね。誰が盗ってもおかしくない。 『シャイロックの子供たち』は池井戸潤の同名小説とは展開が異なる完全オリジナルストーリーで映画化され、2023年に公開されました。 監督は本木克英、脚本は池井戸潤がツバキミチオの名前で担当して、第47回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞しています。 原作を読んでいないので違いは分かりませんが、面白い映画でした。オススメです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/09/27 08:29:13 PM
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