ヨハネ・パウロ2世美術館展
愛媛県美術館で2023年9月23日から11月26日まで、企画展『ヨハネ・パウロ2世美術館展』を開催していました。愛媛県美術館開館25周年記念と学校法人聖カタリナ学園創立100周年記念と兼ねた特別企画です。四国八十八ヶ所巡りの途中で美術館に行くとこなんて今までありませんでしたが、ポーランドの首都ワルシャワにある、ヨハネ・パウロ2世美術館に行くチャンスは滅多にないでしょうからこれは見逃せません。2023年11月23日(勤労感謝の日)に行ってきました。展示されているのは、化学者ズビグニェフと妻ヤニーナのポルチェンスキ夫妻から1986年に国に寄贈されたコレクションで、1829年にワルシャワに建てられた旧国立銀行ビルディングを改修し1989年に公開されました。在位中だったポーランド出身のローマ法皇、ヨハネ・パウロ2世の名前をつけさせてもらった美術館です。美術館レベルの名画を450点も個人蔵されていたということは、相当お金持ちの化学者なんでしょうね。この展覧会では女性像に着目して、「母と子」「神話と伝説」「肖像」の3章に分けて61点が展示されていました。<第1章母と子>ルーカス・クラーナハ(子)《聖母子》カルロ・ファッキネッティ《母性愛》中世ヨーロッパ絵画のテーマで一番多いのが聖母子(キリストとマリア様)ですが、庶民の母と子の素晴らしい絵もあるんですね。母と子とそれを描いている画家の愛が感じられます。<第2章神話と伝説>アンソニー・ヴァン・ダイク《エジプトへの逃避途上の休息》神話を描くことは、西洋美術では長く最上位に位置付けられていたテーマです。ヴァン・ダイクは王侯貴族を実物より少し美しく描いて人気を博した画家です。この絵も神話に準えて高貴な人々を描いているのかもしれないですね。<第3章肖像>レンブラント・ファン・レイン《襞襟を着けた女性の肖像》1644年ジョシュア・レノルズ《ネリー・オブライエン嬢の肖像》肖像画は富や権力の象徴でしたが、大航海時代のあたりから庶民も豊かになってきて次第に一般市民の絵も制作されるようになりました。レンブラントの絵は大好きです。女性の襟、すごく丁寧に描かれているんですよ。エミール・ブラク《白いドレスの少女の肖像》1886年フリッツ・ツーバー=ビューラー《花環の少女》油彩ポスターになってる一番上の絵の美人さんは、ルイ15世の娘の中で一番美人とされていた皇女だそうです。生涯独身だったそうですよ。音声ガイドを借りて回らないと、なんの絵なのか分からないので借りてよかったです。『ヨハネ・パウロ2世美術館展』は2023年1月28日から3月26日まで福島県の郡山市立美術館、7月25日から8月27日まで宮崎県立美術館を巡回し、愛媛県立美術館の後、12月15日から2024年3月3日まで長崎のハウステンボス美術館で開催されます。ご興味ある方は冬のハウステンボスへどうぞ。