奇蹟の人/ホセ・アリゴー
ブラジルの小さな村で雑貨店を営むホセ・アリゴー。小学校3年までしか学校に行っていない彼が、ある日、啓示を受けるんです。『病の人々を救え』死を待つばかりの病床の女性から、何かに取り憑かれたように素手で子宮がんを取り除くという奇跡を起こします。ちょっと信じられないような話ですが、1971年に亡くなるまで200万人を救った実在の人物だそうです。誕生日は1918年10月18日、日本では大正七年、世界では第一次世界大戦終結間近でした。医学の知識を全く持たない彼ですが、夢の中に現れた白衣の男フリッツ医師の命ずるままに、病に苦しむ人を治療していきました。お金を取らなかったので、これまで医者にかかれなかった貧しい人たちの救世主となります。噂を聞きつけた病に苦しむ人々がアリゴーの心霊手術に希望を見出し、彼の家に長い列をなしていました。中には疑い深い医療関係者もいました。フリッツ医師が憑依したアリゴーは、批判しようとやってきた医者に『君は食道癌だ。同僚に診てもらえ。』と言って追い返します。実際彼は食道癌だったようで、アリゴーの家の前の長い列に加わっていました。新聞に載ったことでさらに国中の話題となり、医師免許を持たないアリゴーを教会や医師会は黙って見ていられなくなります。アリゴーは告発され逮捕されますが、彼に病気を治してもらった人々が抗議運動を起こしました。彼は再び治療に復帰します。亡くなった名医たちの憑依現象で、痛みや出血もなく病巣だけを取り除いてもらえるなら、苦しい上に高額な治療は必要ないですよね。医療を学ぶ学校も必要なくなります。フリッツ医師は、何を思って出て来たのか分かりませんが、そのタイミングで治療を受けられた人はラッキーでしたし、映画になるくらいですから大変稀な現象なんでしょう。アリゴーは子供の描いた絵から死を察知し、1971年に絵の示す通り交通事故で命を落としました。『奇蹟の人/ホセ・アリゴー』(原題:Predestinado, Arigo e o Espirito do Dr. Fritz)は2022年のブラジル映画です。監督はグスタボ・フェルナンデス、アリゴー役はダントン・メロが演じています。消毒もしてないそこら辺のカミソリで切ったりして大丈夫なのかと思ったり、血もたいして出ないし患者も平気そうなので不思議な感じです。治療風景が生々しいですが、最後に本人の治療風景も映し出されて、よく再現されてると思いました。