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つまずく石も縁の端くれ

2006年09月19日
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カテゴリ:アート
このクリーブランド美術館って、まったく知らなかったのです
が、オハイオ州にある美術館とのこと。現在改装中で、その間、
日本に出稼ぎに来たようです。出展数も60点とさほど多くは
なく、えっ、もう終わりという感じで終わってしまいました。
そういえば、昨年、ここで見たフィリップス・コレクション展
も同じような感じでした。

まずは、「印象派の時代」のコーナー。最初にクールベの描いた、
「ロール・ポロー」という女性の肖像画。夕焼けを背景に黒い
レースの衣装をつけた花束を持った女性。クールベってこうい
う肖像画も描いていたのですね。切れ長の目と、豊満な体つき
がなかなかエロティック。

ロメーヌ・ラコー.jpg
ルノワールの「ロメーヌ・ラコー」↑は、まだ美術学生時代の作
品。後のルノワールの画風とはまったく異なっています。髪の
毛はルーベンス、顔はアングル、衣装の白の厚塗りはクールベ、
背景はコローのように描いたとのこと。筆触を見せない顔の肌
は美しい。瞳に金の絵の具が小さく置かれており、きらきらと
輝いて見えます。顔と対照的に白いブラウスは筆触の後がはっ
きりと分かる厚塗りで存在感があります。ルノワールらしから
ぬルノワール、この絵、気に入りました。

小川.jpg
次の「後期印象派」コーナーの最初は、セザンヌにお決まりの
ゴッホとゴーギャン。セザンヌの「小川」↑。水彩画のように薄く
塗られた直線的なタッチ。心地よさが感じられます。

サン=レミのポプラ.jpg
逆にゴッホの「サン=レミのポプラ」↑は、例の原色「うねうね・
ぐるぐる」のタッチ。こちらを眺めていると魔法にかかったよ
うに自分もぐるぐるとゴッホの狂気の世界に引き込まれてしま
うようでした。

波間にて.jpg
ゴーギャンの「波間にて」↑は、不思議な作品。緑の波に身体を
投げ出す女性。この絵には何か深い意味があるのでしょうが、
それがどんなものかは分かりません。それでもやはり惹きつけ
られる絵です。

ルドンやボナール、ヴュイヤール、ドニなど、それぞれ味わい
深い絵が続きます。そして、よかったのが、セガンティーニの
「松の木」です。松の木と赤い石楠花の花が描かれているので
すが、全体的に青っぽく暗く沈んでいます。線分割法で描かれ
た硬質な画面。近づくとやはり織物のように細長い筆触が見え
る。その一本一本の線をなぞって、肌触りを感じたくなります。

「近代彫刻のさきがけ」のコーナーで、ロダンの彫刻を楽しむ
と次は、「20世紀の前衛」のコーナー。

このコーナーのエルンストの「草上の昼食」は面白い絵でした。
見るからに痛そうな異様な草の上に白布が敷かれており、アン
コウのような魚と茄子が載っています。マネの絵との関連性は
分かりませんが、描かれている絵はエルンストにしては分かり
やすいものでした。

女の肖像.jpg
ここにモディリアーニもありました。「女の肖像」。↑珍しく瞳が
描かれた顔です。あごの下にあるのはイボでしょうか。亡くな
る2年前の絵ですが、このころ、パリのカフェで600点あま
りの絵を描いたそうです。

最期のコーナーは、「北ヨーロッパの光」と題して、ドイツや北
欧の作家。バルラッハの彫刻「歌う男」。この間、芸大美術館で
見たような記憶があります。朴訥とした感じで素敵です。

この展覧会、サブタイトルに「女性美の肖像」とあったので、
女性のポートレートを集めた展覧会かなと思ったら、風景画や
男性像なども多数展示されていて、このサブタイトルのつけ方、
疑問に思いました。この間のモダン・パラダイス展もうそうで
すが、タイトルのつけ方って、企画者の意図を強く主張するも
のだと思っていますので。もうひとつ、作品リストを用意して
いないのも不親切だと思いました。

この後、上の階で開催されているロエベとBMWの展覧会にも
出かけました。






最終更新日  2006年09月20日 01時00分54秒
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