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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2007年10月22日
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カテゴリ:アート
先日の「美の壷」で、青磁の特集を見てから、これはどうして
も、国宝の龍泉窯の「飛青磁花生」を見なければと思い、三井
記念美術館に出かけた。ちょうど、大阪市立東洋陶磁美術館の
安宅コレクションが、やってきているのだ。

飛青磁.jpg

美術館の最初から、この国宝「飛青磁花生」や多くの重要文化
財の名品のオンパレード。どれもが、濃くて重い。実を言うと
「飛青磁花生」のまだら模様の景色は、正直なところ、あまり
好きにはなれないのだが、それよりもこの完璧な形の美しさに
魅せられるのだ。

同じ龍泉窯の「青磁鳳凰耳花生」。これは、うちの先生の家にも
写しがあるので、見慣れているせいかもしれないが、いい色で
いい形だと惚れ惚れとした。こういう青を「雨過天青 雲破れ
る処」の青とでもいうのだろうか。

油滴天目.jpg

重文「木の葉天目」と国宝「油滴天目」は、どちらも文句のつ
けようがないほど素晴らしい。本物の木の葉をどのように貼り
付けたのかが本当に不思議。この茶碗で濃茶を練っているとこ
ろを想像すると実に楽しい。黒地に浮かぶ枯葉と鮮やかなお茶
の緑なんて、何とオツな取り合わせだろう。

油滴天目のステキなところは、もちろん油つぶのように輝く斑
紋でもあるのだが、口縁の金の覆輪のみごとさと高台上の釉薬
のふくらみである。ここに指をかけると、掌にすっぽりと収ま
るのだろう。

そのほか、お気に入りは、朝鮮で作られた青磁に象嵌入りの作
品の数々。象嵌で描かれた白い鶴やさまざまな紋様が何とのん
びりしていることか。青磁の持つ緊迫感と同時に、ほのぼのと
した気分を味わうことができる。

安宅氏がそれぞれの名品を手に入れた時の様子が紹介されてい
たが、どれもが想像を絶する手に入れ方である。こういう道楽
をしたから、会社を潰してしまったのだろうかとふと考える。
それにしても、倒産後、散逸しないで残っていることが、本当
に素晴らしいことだと思った。





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最終更新日  2007年10月23日 00時15分52秒
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美の極限   遊行七恵 さん
こんばんは
伊藤氏の随想が臨場感に溢れていて、本当に面白かったです。
安宅産業崩壊の話などは親に聞きまして、改めて「ううむ」でした。こうした裏話を知ったことで、いよいよコレクションの美に惹きつけられます。
いつでも見れる、なじみの名品たち・・・
そう思っていたものたちが、こうした経緯で現在のわたしたちの前に現れたのかと思うと、感慨深いものがありますね。
わたしの最愛は、陶板の鶴たちの遊ぶ作品と、油滴天目です。

ところであべまつさんが大阪にこられたときの記事には、素敵な写真がスライドショーとして展開されています。とても魅力的でした。 (2007年10月23日 23時18分58秒)

遊行七恵さん   一村雨 さん
>伊藤氏の随想が臨場感に溢れていて、本当に面白かったです。

収集家の執念を感じました。「しうねん」と北斎の
絵の文字が、頭をよぎります。
この油滴天目茶碗でお茶を飲むというのは、「妄想」です。 (2007年10月25日 06時07分24秒)

うーむ…   RICARDO さん
陶器は全然わかんないですぅ。
難しいですねえ。 (2007年10月25日 16時28分45秒)

安宅コレクション   あべまつ さん
こんばんは。
この展覧会は現地の大阪の東洋陶磁で見てきたのですが、本当にため息ばかりでした。
遊行さんにお勧めいただいたわが方の画像アルバム、ご覧になれましたか?
フォトのアルバム選択して、安宅コレクションを
探してくださいませ。新しいもの順になってしまい、古い方は下のほうに隠れてしまってます。
また、日本橋の三井での展覧方法に興味が湧きます。早く見てこなければとはやります。 (2007年10月25日 22時40分01秒)

RICARDOさん   一村雨 さん
>陶器は全然わかんないですぅ。
>難しいですねえ。
私も、全く分かりませんでした。
まずは、例えば国宝の陶磁器でもじっくり
眺めると、だんだんステキに思えてくるかもしれませんね。

(2007年10月26日 05時32分27秒)

あべまつさん   一村雨 さん
画像アルバム、拝見しました。
カタログを買ってこなかったので、また感激を
新たにしました。
青銅器の迫力も、ものすごいですよね。

(2007年10月26日 05時36分35秒)

Re:美の求道者 安宅英一の眼  三井記念美術館(10/22)   月姫1202 さん
何日か前に立原正秋の「旅のなか」を
読み返しておりまして、安宅コレクション
および、安宅氏についての記述を読み
その深い美意識のあった方のコレクションを
改めて見てみたいと思っていたところです。
12月までと確認しましたので機会を作って
足を運びたいと思いました。
情報ありがとうございました。
(2007年10月26日 11時14分55秒)

天目の魅力   はろるど さん
こんばんは。両天目を並べて見られるだけでも本当に贅沢な展覧会でしたね。油滴天目というのは図版で見たことがあったのですが、木の葉は全く初めてだったのでその意匠に驚かされました。

>倒産後、散逸しないで残っていることが、本当
に素晴らしいこと

同感です。海外へも出ていないのは奇跡に近いかもしれません。今度は大阪で楽しみたいです。 (2007年10月26日 22時35分54秒)

月姫1202さん   一村雨 さん
立原正秋の「旅のなか」は、読んだことがありません。
安宅コレクションを中心とした小説でしょうか。

冬にまた、展示される静嘉堂の曜変天目も楽しみです。 (2007年10月27日 09時33分58秒)

はろるどさん   一村雨 さん
私も木の葉が張りついた茶碗なぞ、はじめて
見たものですから、驚きと感激がごちゃ混ぜに
なりました。

(2007年10月27日 09時36分35秒)

これぞ中国陶磁   いづつや さん
青磁、青花の名品がずらっとあるのですから、最高のやきもの鑑賞ですね。“飛青磁 花生”の形が実にいいですね。もううっとりします。 (2007年10月28日 16時49分19秒)

いづつやさん   一村雨 さん
あまりにも美しい作品ばかりで
目移りばかりして困りました。
(2007年10月29日 20時23分00秒)

Re:美の求道者 安宅英一の眼  三井記念美術館(10/22)   poco-mom さん
安宅コレクション、今日いってまいりました。
最初っから名品で、もう魂を揺さぶりつづけられて疲れ果ててしまいました。おかげで予定していた鳥獣戯画にはたどりつけませんでした。
しかし安宅英一はすごい人ですね。 (2007年11月24日 17時39分23秒)

poco-momさん   一村雨 さん
鳥獣戯画も見応え充分ですから
体調を整えて出直しは大正解です。

(2007年11月27日 06時13分14秒)


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