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つまずく石も縁の端くれ

2008年06月09日
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カテゴリ:アート
オーストラリアのアボリジニの画家であるエミリー・
ウングワレーの回顧展。

先日の美の巨人たちで放映されたばかりであり、彼女
の映像を見て、この画家のイメージをつかむことがで
きた。80歳を過ぎてから絵筆を持つようになった事
由もよく分かった。

美の巨人たちの最後のナレーションが印象に残った。
「絵とは何か?誰のものなのか?どうして人は描くの
か?」これは、松下電工汐留ミュージアムでやってい
る「アールブリュット」の画家にも言えることだが。

さて、彼女の絵は、装飾画であると思った。略歴を見
ると彼女はもともと、儀式のためのボディ・ペインテ
ィングや砂絵を描いていたようで、やがてバディック
をはじめたとある。絵もこの延長であると思うとすん
なりと理解できる。アクリル絵の具という彼女にとっ
ての新しい素材と出会い、新しい表現活動を始めたのだ。

族長でもあった彼女は、絵が売れると一族が豊かにな
り、新しい絵の具もキャンパスも買えるので嬉しいと
いうようなことを語っていた。アポリジニはもともと
所有という考えを持っていなかったので、彼女はただ
純粋に絵を描いた。

そんな彼女の画風の変遷を辿るのも面白い。点描から
線へ、そして晩年の広い色面をもつ作品。それでもこ
のおばあさんは、自分の故郷の「アルハルクラ」とい
う土地を主題としながら一貫して描いている。

ビッグ・ヤム・ドリーミング.jpg

ヤムイモの根っ子がぐんぐんと伸びる「ビッグ・ヤム・
ドリーミング」の大作。この絵を描いているお婆さん
の様子を想像しながら眺めていると楽しくてたまらな
い。地面にキャンパスを置いて、ブツブツとつぶやき
ながら、延々と白い根っ子を描いていたのだなぁ。

西洋の抽象画やらプリミティブアートやらの文脈で捉
えようとするから、いろいろ面倒くさくなるのだろう。
やはり、先の「絵とは何か?」という問いに戻ってく
るのである。






最終更新日  2008年06月13日 05時41分04秒
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