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つまずく石も縁の端くれ

2008年10月13日
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カテゴリ:アート
室内、ストランゲーゼ30番地.jpg

ハンマースホイという画家は、まったく知らなかった。
昨年のオルセー展にも出ていたということだが、3回
も出かけた割には印象に残っていない。

すでにアートブロガーの方々の間では大評判の展覧会。
見逃すと一生の損とのコメントまであるので、じっと
出かける機会を伺っていた。

いざ、出かけてみると、皆様の言うとおり、まさに驚
愕の展覧会。建築の絵、風景画、人物画、そして室内
の光景と、どのジャンルの絵も、密度が濃く、じりじ
りっと心の中にしみこんでくる絵ばかり。

運河の川面の光とか、霞む宮殿とか、厚い雲に覆われ
た空・・・など、暗い色使いでありながら、冷え冷え
とした印象はまったくなく、じわっと暖かさを味わう
ことができるという不思議な絵。

誰もいない街の光景は、クノップフの描く絵も連想し
た。濃密な空気を塗りこめた風景画などを見ていると
高島野十郎の絵を思い出した。ろうそくの描かれた室
内の絵が出てきたときは、やはり野十郎だなぁと感じ
たのである。

圧巻は、やはり「人のいる室内」のコーナーの絵。こ
のコーナー全体が、ほとんど同じ大きさで、同じよう
な題材の絵が並んでおり、とても不思議な空間に感じ
られた。鏡の向こうの異空間に迷い込んだ感じである。

黒いドレスに白いエプロン姿の女性の後姿、窓から射
す陽光とまばゆいばかりの床の反射。変わった形のテ
ーブルやソファー。白い扉・・・。時が止まり、音も
しない不思議な空間。眺めている自分の時間も静止し
ているよう。

「誰もいない室内」のコーナーは、さらに、人の住ん
だ痕跡だけを残す室内の光景。ありふれた室内の様子
を描いただけの絵にこれだけ魅了されるとは。。。

ただ、この画家の肖像画に関しては、今ひとつであっ
た。特に、妻の肖像画は、病気のように、また老婆の
ように描かれていて、あまりにもかわいそうである。
まぁ、ショッキングな絵であることは確かだが。

同時代のデンマークの画家ということで、ビーダ・イ
ステルスやカール・ホルスーウという画家の絵も展示
されている。こちらも題材は室内を描いているのだが、
ハンマースホイの絵と異なり、緊張感を強いられない。
かわいい少女や花々が描かれていて、リラックスして
見ることができた。







最終更新日  2008年10月14日 20時20分48秒
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