つまずく石も縁の端くれ

2009/04/21(火)05:08

尼門跡寺院の世界  東京藝術大学大学美術館

アート(1026)

先日のブロガーの皆さんの集まりで、皆、絶賛 されていた展覧会。 特に大きな目玉はないのだが、全体としてとても まとまっていて、いいものが出品されていると いう話で、期待を膨らませて出かけてみたのだが、 評判通り、信仰に生きた(生きざるを得なかった) 皇女たちの思いがひしひしと伝わるような雰囲気の 展覧会であった。 実は、門跡寺院という言葉は知っていたのだが、 法華寺と中宮寺には行ったことがあるのにもかか わらず尼門跡寺院については全く知らなかった。 ところが、まず最初の法華寺の十一面観音のお前 立ちから、ぐっと信仰の世界に引き込まれてしま った。レプリカなので、実際の国宝の十一面観音の 持つ一種独特の艶めかしさは感じられないが、 前の小さな善財童子らの像に心が癒された。 それぞれのお寺の尼僧の像には、さほどのインパ クトを感じなかったのだが、やはりブロガーの 皆さんがおっしゃられているように血で書いた 般若心経、爪の釈迦三尊、毛髪を使った「南無観 世音髪名号」の書など、信仰の思いには心打たれる。 各寺に残る工芸品にも、うっとりとするくらい 美しいものが多かった。特に、大聖寺に残る天皇 より拝領した「菊慈童文蒔絵文台」の蒔絵には ほとほと見入ってしまった。鶴の舞う空に金銀の 菊と間を流れる川。人の姿はなく、ただ岩の上に 墨と筆とすずりが残る。主人公のいない「留守文様」 というそうだ。 もうひとつ、慈受院の九谷焼の飯椀。こんなにも 美しい茶碗で食事を取っていたのかとため息が出た。

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