1399879 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

つまずく石も縁の端くれ

2009年05月10日
XML
カテゴリ:アート
日本の水墨画の歴史をたどる展覧会。山水画から
人物画、花鳥画。そして、文人画・禅画など水墨
画の魅力満載。出展数も41点とさほど多くない
のだが、見応え十分な展覧会だった。

ほとんどの作品が彩色されてなく、黒と白の世界が
続くのだが、決して不自然ではなく、当たり前の
ように眺めている。

破墨山水図.jpg

まずは、雪舟の「破墨山水図」から。輪郭線のない、
大雑把な面で描かれた光景。今年の正月に千葉市
美術館で「雪舟と水墨画展」を見ていたので、
既視感を覚える。(この作品ではなかったが。)

千葉市美術館で見たときは、このような輪郭線の
無い「もわっ~」としたタイプの絵は好きになれ
なかったのだが、今回は最初に展示されていた
せいか、気力十分。じっくり見ているうちに、
船とか人とか、家々とかいろんなものが見えてきて、
それが実に面白い。単純だが深い絵であると感じた。

「武陵桃源・李白観瀑図」(岳翁蔵丘)は、ステキ
である。縦長の掛け軸2対。どちらも有名なシチ
ュエーションである。落差の大きい滝を眺める
李白と弟子の姿が面白い。また、桃源郷の岩山の
桃の花のピンクがモノクロの世界の中でも自然に
感じられる。

能阿弥の「四季花鳥図屏風」。この絵が、年期が
記入されている作品の中では日本最古の花鳥図と
のこと。1469年応仁3年とある。すぐに「人の世
空し、応仁の乱」と思い浮かぶ。この絵が描かれた
京都は戦乱の時代だったのだ。それに反して、
絵の中は実に平和な世界。

水墨画の輝き.jpg

さて、チラシにもなっている長谷川等伯の「竹虎
図屏風」。普通、虎は龍と描かれ、雌雄の虎という
のは、珍しいのだそうだ。左隻の後ろ足で頭を
かく虎はかわいい。狩野探幽がこれは周文が描い
たものだと間違えているのが面白い。

同じく等伯の「竹鶴図屏風」。この濃くそして薄く
描かれた竹の表現に、正月に等伯で見る「国宝松
林図屏風」を思い出す。

武蔵や宗達の水墨画を眺めるが、やはり目は浦上
玉堂の絵にくぎ付け。

もうすっかり玉堂フリークとなってしまった。
きっちりとした筆使いで(皴法・しゅんぽう)
描かれた山々。しかしそれはリアルさのかけらも
ない、全くのイマジネーションの世界。それでいて、
深いのである。

富岡鉄斎が玉堂へのオマージュで描いた「高士弾
琴図」が最後にあり、趣き深かった。






最終更新日  2009年05月11日 22時37分53秒
コメント(12) | コメントを書く

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.