カテゴリ:アート
パウル・クレーがいかに浮世絵や水墨画など東洋の 影響を受けていたかを探る展覧会。 クレーが浮世絵の影響を受けていたことは、まだ あまり知られていないそうで、研究途上とのこと らしい。 クレーがまだ色彩画家となる以前の線描画の時代に、 北斎の「北斎漫画」の人物像を真似て描いている ものが多数、展示されている。 さらに、北斎をはじめ、写楽、広重、豊国、国芳 などから、構図を借りたり、インスピレーションを 得た作品があった。 たとえば、「役者のマスク」という絵(これは、 実際には展示されていなく、ビデオで紹介)は、 北斎の百物語の提灯お岩さんの影響を受けている。 提灯の平行線がそのままクレーの絵に使われている とのこと。それが、たとえば今回展示されている 「ホールC、エントランスR2」の平行線とも 関連しているという。 過去に何度か見たクレーの展覧会に比べ、デッサンが 多く、色彩感あふれる絵は少ないので物足りない。 さらに上記の研究発表のような感覚であり、鑑賞と いうより、勉強したなぁという感じである。 クレーの絵とともに展示されている浮世絵には、 見るべきものが多かった。特に国芳の韓信の股 くぐりの絵に出会えて大収穫だった。 そして、このクレー展よりも階下の会場で併設されて いる「江戸浮世絵巻展」の方がインパクト大であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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