つまずく石も縁の端くれ

2010/11/24(水)05:50

開窯300年 マイセン西洋磁器の誕生  大倉集古館

アート(1025)

マイセンというとまず思い浮かべるのが、極彩色に彩られた豪華絢爛なテーブルウェアと色とりどりの磁器人形である。この展覧会も、ほぼ予想通りの中身であった。 ただ、歴史を知るということは楽しいものである。300年前のマイセン窯誕生の様子は、日本人にとっては実に興味深い。磁器は、漆器や浮世絵とともに日本が世界に誇る芸術だと再認識できる。 そもそもマイセン磁器は、ザクセン王アウグストが、錬金術師に命じて、日本や中国の模倣させたもの。だから吉祥紋様である、ザクロや桃がたまねぎになったり、鳳凰がフライング・ドッグやフライング・フォックスとなったりしているのには笑える。 それにしても、初期のマイセンは、色彩に関しては柿右衛門様式を忠実に再現していて、見事である。ブルーオニオンの染付けもいかにもドイツらしく、かっちりとした紋様で心地よい。 西洋陶磁器には、もともとあまり関心が無かったのだが、意外に楽しむことができた。

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