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つまずく石も縁の端くれ

2020年02月19日
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カテゴリ:アート


北脇昇という画家を知ったのは、この東京国立近代美術館で、今回
も展示されている「クォ・ヴァディス」を見た時です。

山高帽子によれよれの背広を着た男が、ズタ袋を背負って歩いてい
く姿。足元には道しるべがあり、二手に分かれています。遠方に見
えるのは、一方は、赤旗を抱えて歩く隊列。もう一方は、暗雲立ち
込める街並み。たいとるの「クォバディス=どこへ行くのですか?」
の意味するとおり、ひょうひょうとした男はいったいどちらの道を
歩むのだろうかというドラマチックな絵です。戦後すぐの時代背景
を感じます。見る人に深く考えさせる絵としてとても印象に残りま
した。

その後、戦時中、北脇昇がシュルリアリズムの絵を描いていること
も知り、ずっと興味深くこの画家の絵を眺めてきていました。
その一端がこれも今回展示されている「空港」や「空の決別」です。
カエデの趣旨が飛行機に見立てられ、とくに後者は戦時中の戦闘機
撃墜事件をきっかけに描かれたとのことです。戦時中の不穏な雰囲
気が漂ってきます。

数学の定理や易学をモチーフにし、絵の中で森羅万象を表現しよう
とした北脇昇は、51歳という若さで亡くなりましたが、その足跡を
辿る素敵な企画でした。






最終更新日  2020年02月19日 00時15分25秒
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