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つまずく石も縁の端くれ

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アート

2020年03月29日
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カテゴリ:アート


毎年恒例の春の江戸絵画まつり。毎年ここに来るとその時期の思い
出がよみがえる。不本意な人事異動で辛い桜を見た年もあったが、
今となってはよい思い出。それ以上に今年の展覧会は、コロナで、
記憶に残るものになるかもしれない。日本はどうなってしまうのだ
ろうか。
さて今年の展覧会は、奇想とかヘタウマではなく、怖い絵でもなく
あくまでも美しい普通の江戸絵画を見せようという企画らしい。
まず、岩佐又兵衛の妖怪退治図屏風や曽我蕭白の心かき乱す絵を初
めにどんと見せたあと、雅な土佐派のやまと絵に移っていく。とっ
つきから工夫されている。
自分自身は、金色の霞がかかったやまと絵は、どれもこれも同じに
思え、退屈に感じ、あまり好きではなかったのだが、今回展示され
ていた土佐光孚の「花丸文様屏風」は素晴らしかった。松、竹、も
みじや多くの花々が、丸くデザインされて金屏風に並べられていて、
インパクト大。
次は狩野派、円山応挙・・・と続いていくが、岸駒の寒山拾得の絵
を見ていると普通だか奇想だかの区別なんてどうでもよくなってく
る。
今回いちばん良かったのは、岸恭の「四季花卉図屏風」鮮やかな色
彩の四季の花々。それでいて、これ、江戸絵画?というぐらいモダ
ンな屏風だった。
常設展「江戸時代から現代まで」もステキだった。しょっぱなの、
江戸絵画、一宮長常という絵師の手長猿の絵には見とれてしまった。
いったい何匹いるんだろう。
同じく常設展「こどものすがた」では、府中市美術館で一二を争う
お気に入りの清水登之の「チャイルド洋食店」が展示されていて
嬉しかった。最後に恒例の牛島憲之のシュールな絵を眺めて、美術
館を後にした。後期も楽しみなのだが、開催されるのだろうか。













最終更新日  2020年03月29日 18時53分19秒
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2020年02月24日
カテゴリ:アート



東京国立近代美術館工芸館は、いよいよこの展覧会で最後の展示と
なります。この重要文化財の赤レンガの建物(旧近衛師団司令部庁
舎)には、何回通ったことでしょう。扉のノブを回して入館する美
術館は他にはありませんでした。

さて.今回の展覧会「パッション20」は、「工芸」の意味を考える
のにもとても面白いものでした。伝統的なもの、機能的なものから
の「美」、そして現代アートのような何が何だか分からないもの、
まったく機能的でなく実用性がないものの「美」。とにかくごちゃ
混ぜの展示でしたが、まさにそれぞれの作者の「パッション=情熱」
を感じるものばかりでした。深く考えずに眺めているだけでも、楽
しい展覧会でした、ちなみに先日、パナ美でみた剣持勇デザインの
籐の丸椅子はここにありました。

今回も旧知の作家やお初の作家の様々な作品に出合いました。テレ
ビ東京の「美の巨人たち」で紹介された作品を見に訪れたことも
懐かしい思い出となります。松田権六の螺鈿細工の漆箱を初めて
見た時の感動も忘れられません。今回は展示されていませんでした
が、ルーシー・リーの器に出会ったのもここだったかもしれません。
鈴木長吉のまるで生きているような「十二の鷹」もここでは、見納
めです。

いつか金沢で再会することを楽しみに、会場を後にしました。












最終更新日  2020年02月24日 22時22分43秒
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2020年02月19日
カテゴリ:アート


北脇昇という画家を知ったのは、この東京国立近代美術館で、今回
も展示されている「クォ・ヴァディス」を見た時です。

山高帽子によれよれの背広を着た男が、ズタ袋を背負って歩いてい
く姿。足元には道しるべがあり、二手に分かれています。遠方に見
えるのは、一方は、赤旗を抱えて歩く隊列。もう一方は、暗雲立ち
込める街並み。たいとるの「クォバディス=どこへ行くのですか?」
の意味するとおり、ひょうひょうとした男はいったいどちらの道を
歩むのだろうかというドラマチックな絵です。戦後すぐの時代背景
を感じます。見る人に深く考えさせる絵としてとても印象に残りま
した。

その後、戦時中、北脇昇がシュルリアリズムの絵を描いていること
も知り、ずっと興味深くこの画家の絵を眺めてきていました。
その一端がこれも今回展示されている「空港」や「空の決別」です。
カエデの趣旨が飛行機に見立てられ、とくに後者は戦時中の戦闘機
撃墜事件をきっかけに描かれたとのことです。戦時中の不穏な雰囲
気が漂ってきます。

数学の定理や易学をモチーフにし、絵の中で森羅万象を表現しよう
とした北脇昇は、51歳という若さで亡くなりましたが、その足跡を
辿る素敵な企画でした。






最終更新日  2020年02月19日 00時15分25秒
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2020年02月16日
カテゴリ:アート


モダン・デザインとは大量生産の時代でも、美しさを失わないもの
だと思っています。。今回の展覧会は、戦前戦後から現代に至る日
本のモダン・デザインの流れを知る好企画でした。

特に今回、楽しみにしていたのはブルーノ・タウトの椅子です。横
山秀夫のノースライトを読んだばかりなので、実物はどんなものだ
ろうかと期待していました。

結果的には、タウトの椅子は今でもよく見かけるようなシンプルな
椅子で、さほど美しいとは感じられなくてちょっと残念でした。そ
れでもレーモンド夫妻やジョージ・ナカシマの時代になるとグッと
個性的になって美しさが増してきます。ナカシマのコノイドチェア
なんて、二本足で立っています。これは座敷においても大丈夫なよ
うに設計されているとのことで、そういえばお座敷でよくこんな椅
子をみかけるなと思い出しました。

剣持勇デザインの籐の椅子は、見た目も本当に美しい。この大きな
丸椅子はどこかで座った記憶があるのですが、どこだか思い出せま
せん。どこぞの美術館だったような記憶があります。スタッキング・
チェア、これも剣持デザインだったのか!とあらためて気づかされ
ました。

最後はイサム・ノグチのおなじみの明かりシリーズ。いかにモダン・
デザインが日本で独自の発展を遂げたかよく分かりました。







最終更新日  2020年02月16日 18時05分16秒
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2020年02月11日
カテゴリ:アート


ソール・ライター。少し前にここBunkamuraで展覧会を見たばかりな
のに、もう新たな展覧会が開催されるなんて、そんなに人気がある
のかと非常に驚いています。

確かに前回の展覧会で初めて、彼の写真を知った時、そのビビッド
な色彩の美しさに心をわしづかみにされ、家に何枚も絵ハガキを飾っ
ています。

真っ白な雪の歩道に映える真っ赤な傘。今回のお気に入りの写真は
チラシにもなっているこのサーモンピンクの傘。画面の上部にほん
の少しだけしか映っていないのが憎い。ソール・ライターはこのよ
うな対象の切り取り方がとてもうまく、ツボにはまるのです。

また、ガラスに映る影や、ショーウィンドの曇りや水滴の向こうに
見える人々の姿。まだカラー写真が開発されて間もない時代に、こ
んなにもステキな写真を撮っていたのですね。今の時代でも、画期
的なので、60年前に理解されなかったのはさもありなん。

先日の日曜美術館で、東京駅周辺をソール・ライター風に撮影して
いる写真家さんの様子が紹介されていましたが、私もちょっと挑戦
してみようと思いました。






最終更新日  2020年02月11日 11時32分01秒
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2020年02月09日
カテゴリ:アート


先日、ブダペスト展でこれまで名前も知らなかったハンガリーの
作家たちの素敵な絵を見ることができましたが、今回は同様にデン
マークの画家たちの絵を堪能しました。

フランスでバルビゾン派が活躍していたころ、同時期にデンマーク
の美術界は「黄金期」と呼ばれ、心洗われるような風景画が描かれ
ていたとのことです。今回も初めて名前を聞く画家のすばらしい
絵画が主点されています。

スケーインという土地に集まって、芸術活動をした画家たちの絵も
紹介されています。海辺で働く漁師たちの姿、船の遭難信号が発せ
たときの家族の不安など、北欧の海辺の地域特有の雰囲気が伝わっ
てきました。

また、19世紀末、デンマークでも室内を美的空間と捉えて、室内の
光景を描くのが流行しました。これがなんとも素敵でした。家族の
親密さを描いた心温まる作品がありました。クリスマスツリーの周
りを輪になって踊る家族を描いたヴィゴ・ヨハンスンの《きよしこ
の夜》に目が釘付けになりました。家族、人と人とのつながりを暖
かく描いています。デンマーク絵画の「親密さ」という特徴がよく
あらわれている素敵な絵です。

その後、この室内の光景は「親密さ」とまったく逆方向の無人の室
内の絵に代わっていきます。今回の展覧会メインのハンマスホイの
絵画です。たとえ人がいたとしても、後ろ姿だったり、病的な顔色
をしています。奥さんの肖像画、もっときれいに描いてあげればい
いのにと思うぐらいです。

北欧のフェルメールというキャッチですが、どこが?というのが私
の実感です。ハンマスホイの義兄であるピーダ・イルステズの《ピ
アノに向かう少女》や《縫物をする少女》の方が、明るい色使いで
よっぽどフェルメールっぽいと思うのです。

そうはいっても、ハンマスホイの絵を見ていると、無人の室内に流
れる時間の重みを感じます。そして、非現実的な空間、静謐さ、物
憂さが魅力のひとつになっているのだと思います。

12年前に西洋美術館で見たハンマースホイ展の印象とあまり変わっ
ていないことに気づきました。






最終更新日  2020年02月09日 15時25分14秒
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2020年02月05日
カテゴリ:アート


ミナ ペルホネンというブランドは、まったく知らなかったのですが、
先日、NHKの日曜美術館を見て興味を持ちました。



「森」の展示室。室内一斉に25年間に作られた服400着が展示される
空間はテレビ画面を見ていても圧巻でした。これは実際に見に行か
ねばと思った次第です。実際にその空間に立ってみると、本当に風が
流れているように感じました。

せめて100年つづくというブランドにというコンセプトのもと、服作り
に取り組む皆川さん。服には物語があり、記憶がつらなることを紹介
した「土」のコーナー。個人所有の作られた年もバラバラな15着の服
にまつわる思い出、子どもの成長、亡くなった奥さんの思い出、自立
した時の父親の言葉などが、服に添えられて展示されていました。
自分の服にもこんな思い出があればなぁとつくづくと感じました。

これは欲しいなぁと思ったのは、マルニとコラボしたヒロシマの椅子。
熱が冷めるのをじっと待つしかないか。






最終更新日  2020年02月05日 23時21分03秒
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2020年01月25日
カテゴリ:アート


はじめて白髪一雄を知ったのは、それこそリニューアルオープンした
アーティゾン美術館(ブリヂストン美術館)のこの作品です。
タイトルは、「観音普陀落浄土」↓



この画家の作品のタイトルは、無題も多いのですが、このように仏教的
(密教)なものや水滸伝の英雄の名前を付けたものが多く、漢字が並ん
でなにかぞくぞくするような感覚になります。

初めて見た時に、厚塗りの絵の具の中の色の混ざり具合、グラデーション
が美しくうっとりと見とれました。筆で描くのは大変だろうと思っていた
のですが、後日、この画家の作画方法をギャラリートークで聞く機会が
あり、唖然としました。それ以来、強烈にこの画家の名前が脳裏に焼き
付けられ、機会があると楽しみに足の指の跡を探しています。10年ほど
前に横須賀美術館で見た展覧会は、今でも強烈な印象が残っています。

10年ぶりの今回の展覧会は、そんな白髪の初期のまとも?な時代の
作品から、独特の抽象画まで生涯にわたる作品が60点あまり展示されて
います。初期の頃のちょっと不気味かつほのぼのとした味わいの絵も
面白かったです。(どちらかというと抽象画っぽいのですが)

あのアクションペインティングがはじまって、しばらく経って、獣皮に
赤い絵の具を塗りたくった作品などが現れます。血の匂いと暴力的な
エネルギーが感じられて、頭がクラクラとしてきます。水滸伝の英雄たち
のイメージに当てはめたとのことです。

その後、白髪は僧侶となり、密教の世界を具現化するような絵に変わっ
ていきます。打って変わって、静謐さが心に突き刺さるような色彩表現に
変わっていきます。足ではなく、板切れ(長いへら)で描いたそうです。
そして、晩年は再びにフットペインティングに回帰していきます。






とにかく、驚くほどの厚塗りの作品があったり、勘弁してくれと叫びたく
なるような激しさを持つ作品など、何が何だか分からないが「美」を
味わうことのできる素敵な展覧会でした。






最終更新日  2020年01月25日 09時10分25秒
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2020年01月22日
カテゴリ:アート



新装オープンしたアーティゾン美術館に開館2日目の日曜日の朝、
出かけました。日時指定の前売りを購入し、スマホの画面を見せて
入館します。飛行場並みにセキュリティゲートをくぐっての入場です。
広々とした空間を長いエスカレーターに乗って、6階の展示室に
向かいます。

現在は石橋財団所有の作品を中心に「見えてくる光景 コレクション
の現在地」が開催されています。5年ぶりに見た懐かしい絵の数々。
そして新収蔵の作品も多数ありました。



今回の新収蔵作品のひとつにアンリ・ファンタン=ラトゥールの
静物画がありました。花瓶に生けられた花々のみずみずしさ。
いい絵が加わりました。その他の新収蔵作品では、松本俊介の絵も
よかったです。全体的にはキュビズムの絵画から内外の抽象画が
多かったような気がしました。

マーク・ロスコの大作もありました。ロスコの明るい作品はあまり
日本では見たことがないので、東京に来てくれてうれしいです。



展覧会自体は2部構成となっていて、第1部では「アートを
ひろげる」と題して、国内外を問わずに140年間の作品を時代別に
並べています。第2部では「アートをさぐる」と題し、装飾・古典・
原始・異界・聖俗・記録・幸福と7つの観点別に作品を展示して
いました。


日本美術のコーナーでは、暗い部屋に金色に輝く洛中洛外図屏風が
展示されていました。この屏風だけでも、じっくり眺め、ずいぶんと
間がかかりました。今後、ここにどんな作品が展示されるのか
楽しみです。



私が生まれて初めて、出かけた美術館が、ここブリヂストン美術館
でした。高校1年の時、中学校の担任だった先生に連れてきてもらい
ました。そこでモネの「黄昏のヴェニス」を見て、なんと美しい絵
なんだろうと感動したのが、私の美術館巡りの原体験となっています。
その後、何度この美術館に来たことでしょう。新たなアーティゾン
美術館にもこれからたびたび通うことになりそうです。







最終更新日  2020年01月22日 22時29分35秒
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2020年01月05日
カテゴリ:アート




今回の展覧会は、アメリカの現代アートの変遷という構成となっており、
初心者にとって、とても分かりやすい展示であった。といっても、それ
ぞれの作品が、分かりやすいものばかりではない。そこは、現代アート、
「なんだこれは!」と思うもの、難解なものも多数あり。

昔はそれぞれの作品を理解しようと努めてきたが、今は、難解なもの、
分からないものはスルーして、美しいもの、楽しいものだけをキャッチ
しようと思っているので、現代アートを見るのも好きになってきた。
だいたい、今回も出展されているデュシャンの泉を美しいと思う人が
いるのかどうか。楽しいと思う人はいるかもしれないが、私はまったく
スルーでした。

今回の展示は、はじめに大好きなマーク・ロスコが出てきて、もう
グッと来てしまった。特に滋賀県立近代美術館のナンバー28がいい。
もわっとした黒枠の中の、濃い茶と茶色。上部に鮮烈な白の色面。
ロスコの絵のに立つと、自分が生まれてくる前に見ていた光景はこんな
ものだったのではないかといつも想像するのです。

今回のチラシにもなっているトム・ウェッセルマンのグレート・アメリ
カン・ヌードもいい。見ていて、理屈抜きにして楽しめる。背景のモディ
リアーニの絵もいいし、マティスっぽいピンクの色面だけのヌードも
美しい。トム。ウェッセルマンのもう一枚のシースケープ#8も楽しい。
上部に突き出した一本の足。横尾忠則っぽさがたまらない。
リキテンスタインとウォーホルはそこそこにして次のコーナーへ。

モーリス・ルイスやフランク・ステラも色面構成がきれいなので比較的
好きな画家。特にモーリス・ルイスの作品は、画家の意図ではなく、
偶然によって生まれる美しさ。そこが楽しい。

ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートのコーナーは、観念的
すぎて分からないのでスルー。草間彌生さん、ごめんなさい。
河原温のキャプションを読んで、この方、最後まで人前に現れなかった
のかとそんな感想を持ちました。

最後、新表現主義のコーナーで、また心が活気づきました。杉本博司の
写真はいつ見てもいいし、バスキア作品にまた出会えて嬉しかったです。
依田寿久という画家は今回初めて知りましたが、赤と黒の画面のパワーに
痺れました。調べたら、息子さんの依田洋一朗の展覧会は以前、三鷹で
見たことがあり、昨年夏にこの親子3人の展覧会を三鷹市美術ギャラリーで
開催していたのでした。次回、竹橋か木場に行ったときは要チェックだと
確認しました。






最終更新日  2020年01月05日 12時56分33秒
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