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2006.09.02
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カテゴリ:節句・薬膳・漢方
「中国人は、財産はお胃袋に入れるんです。」

中国を旅行をした際お世話になった中国人が、食事のとき笑いながらいった一言。
広い国土を何時身一つで移動しなければならなくなるか分からない時代が続いた中で「胃袋に入れる」という考えになったそうですが、健康で強靱な体があれば、どんなことがあってもなんとかできるということなんですね。
成功し何もかも手に入れた人が最後に求めるのは健康と長寿。「強いモノを食べれば強くなる」「長生きの生き物を食べて長生きする」という発想も、ちょっと迷信がかったところはあるものの、生きることへの執念が感じられます。


さて、財産を胃袋に・・・の究極ですが、一昔前までは漢方薬局にも「虎の肝を入れて作ってくれ」といて、何百万も出す客がいたのだとか。今時でいうバイアグラ的発想だったのかもしれませんが、生命力を維持したいという強い願望は昔から同じなのかもしれません。

虎の肝はもはやタブーですが、先日の漢方講座では、高貴薬といわれる、ジャコウ、クマノイ、ゴオウについてお話を伺いました。

●ジャコウ(麝香)
狐と鹿の中間のような麝香鹿の雄の睾丸にある香のう分泌物(匂い袋)を乾燥したもの。で1g=1万円ぐらい。
雲南省のチベット近くに生息する麝香鹿は、絶滅危惧種にもなり、ワシントン条約で規制され、輸出入できないので今はもうありませんが、この日は、それ以前に入手していたものを見せて頂きました。
麝香はフェロモンなので、気付け薬的効能はもちろん、塞がっているものを開く働きがあるそうで、心筋梗塞や脳梗塞、自閉症などの精神障害にも用いられるのだそうです。
漢方薬局では、乾燥させた睾丸の匂い袋のみを使用するので、皮は使いません。それを、芸子さんなどがもらいに来て、和箪笥に入れて着物に香りを付けていたとか・・・。
お香や香水などmusk(英)、musc(仏)というのがよくありますが、あれは麝香のことで、マスクメロン、マスカットなど、香りのよいものにもよくmusk/musc とついています。ワインの香り鑑定の訓練に使われる香りのサンプル「Le Nez du Vin」にもMusc(仏)というのがあるので、拝借して匂いを比べてみましたが、な~んか・・・違う)))。ホンモノは、もっと獣臭といいますか、動物的な匂いで、少し離して嗅がないと、いい香りに感じられません。ちなみにCivette(麝香ネコ)ってのもありますが、これは全然異質のニオイで、はっきり言っておしっこ臭でした。
更に、辞書でしらべたら、Musk Turtle(ニオイガメ)とか、Musk-ox(ジャコウ牛)とか、musk shrew(ジャコウネズミ)とか、いろいろ出てきました。なんか、いい匂いも臭いニオイもひっくるめて、強い匂いのものに付くようです。

●クマノイ(熊胆)
熊の(胃袋ではなく)胆のう。1g=卸値3~4千円。
偽物も多く出回っているらしいですが、良質のものは、琥珀色で、冬眠前の食べ物を沢山食べ体が胆汁を沢山出している頃の熊の胆汁がいいのだそう。(最近は、熊を殺さずに、注射針で胆汁だけを取り出し加工する手法がとられているらしいです。)
熊胆には、消炎、鎮痛、鎮静効果があるそうですが、昔から胃けいれんや胆石などにはよく使われていたそうです。
そういえば、昔、黒い小さな粒の苦い胃薬を飲まされたことがありましたが、「熊なんとか丸」って名前だったなあ)))。

●ゴオウ(牛黄)
牛の胆石。1g=卸値6千円ぐらい。
1千ー1万頭かに1頭みつかるか否かという胆石は、たいへん貴重なもので、かつては牛を屠殺し、肉は男達が売りに行き、女達で内臓を食用にきれいにしている際、時々見つかり、これを売ってが女衆はへそくりをしていたとか。人間の胆石とはちがって、牛の胆石は胆汁の塊なのだそうです。
牛黄は、脳卒中や高血圧症、動脈硬化、心臓、肝臓の機能の増強、解熱、鎮痙などの効能があるそうですが、これを服用すると内臓全体が活性化され、元気になるのだそうです。
水戸黄門の印籠の中にも、いわゆる「救心」として、ゴオウが入れられていたのだということです。富山の○○(なんとか)マンキンタンや「六神丸」など、ゴオウなどの高貴成分を含むお薬は、今もがあるそうで、スポーツ選手で処方してもらっている方もいるそうです。
そういえば、ゴオウは、ユンケルにも入っていますね。でも、ユンケルにはゴオウとしての効能が発揮出来るほどの量も入っておらず、貴重な薬剤をいたずらに無効な使い方をするのはナンセンンスだと、講師先生。
牛黄については、私も出張が多かった頃、漢方薬局で勧められて「清心丸」という薬を持ちあるいていましたが「もうダメ」というほどの極度の疲労の時、これを舌の下に入れて、舐めると、ホントにもう半日なんとかなれていました。疲労時は、胃腸もくたびれているため、飲み込むより、舌からも吸収させるといいのだそうです。これが「良薬口に苦し」なのですが、効果は立証済みです。
NGO支援活動でパキスタンを訪問された方にも、餞別代わりに差し上げましたが、悲惨な状況を目の当たりにし心も体も疲れ果てダウンしたボランティアの学生に飲ませて「助かった」とのお礼を頂きました。


毎度ながら、漢方講座のお話を伺っていると、人間が生きるためのあらゆる知恵と工夫の集約であることを痛感します。今回の高貴薬ものお話も、金より高価な高貴薬も、お金で変えない健康の象徴のようですらありました。

漢方の講座で、最初にお話されたこと、それは医食同源のコンセプトです。食べ物、植物または動物は、同時に薬でもあり、なるだけなら食品という形で摂取するのが好ましい。それでもコントロール出来ないほどバランスが崩れた時は、薬で補ってやる。漢方の先生方は、一様に、サプリメントに批判的です。自然の中で生きて、生かされているということを忘れないで欲しいと、しばしば説かれるのも、私達の生活が、生きるために食べるという当たり前のことから少し遠ざかっているように感じられるからかもしれません。
「事始めにまずごはんを食べよう!」というのは、実は、真理なのであり、単純明快な基本。子供が一番に教えらてきたことなのでした。
あの中国人の、まるで「次はいつごはんにありつけるかわからない」とでも思っているかのようにパクパク料理を口に運ぶ姿を思い出し、また、おもちゃで遊ぶ感覚で食事をする昨今の子供達を思い、ふと、日本人、大丈夫かなぁ)))と思ったのでした。
【写真:睾丸を取り除いた後の麝香】





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Last updated  2006.09.09 01:44:36
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