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心の片隅(1994)

心の片隅(1994)

冷たい、薄暗い部屋で机に向かって背中が泣いている。
誰だろう。
知りたいか。
肩を叩いて、そしてどうする。
顔を見たいのか。
そして聞くのか、その訳を。
聞いていいのか、その訳を。
鏡を見てみろ。
解っている筈だ。
黙っているだけだ。
おどけて、そして隠して、堪えられなくなったら壊れる。
本当は解っているんだろう。
鏡に映っているのはお前の背中なんだ。
肩を叩く勇気はあるか。
触れてはいけない心もあるだろう。
そっとしておけば良い。
やがてそいつは嫌でもふり返るさ。
今はその時のことを考えよう。
窓を明けて息をしよう。
大丈夫だ。まだ大丈夫だ。
今は、まだ。



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