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カテゴリ:取材・執筆・校閲
私個人が仕事を受けるということはあちらこちらで私のことを試されることを意味する。入試用小論文の添削といえば、全体構成や論点の整合性などを指摘できないといけない・・・くらいは当然だろう。
さらに先日は校閲のスキルチェックがあった。編集業務で日々携わっていても一度もテストなどされたことがないのでかなり緊張した。よく削られた赤えんぴつを手にスタート。「潔い」「憤り」などの読みが20問、「保障」「保証」「補償」、「解放」「開放」などの書き分けが20問。これらはできたはずだ。 その次の校正・校閲はかなりの難問だった。約30年前、ピカソが亡くなったらしき日の朝日新聞の天声人語だ。漢字の間違いや、改行時の一字下げなどのいわゆる「校正」にあたる部分は気づけた。 しかし、「校閲」の部分となると、 (1)南フランス生まれのピカソ → 南スペイン生まれ (2)コスタ・デル・ソル=大洋海岸 → 太陽海岸 (3)対岸のアメリカ大陸 → アフリカ大陸 (4)61歳の生涯 → 65歳の記述があるので没年おかしい 〈要確認〉 など。 読み書き含め合計20分のテスト中、この(1)~(4)に気づいたのは残り時間2分くらいのことだった。試験用に改ざんされた文章だが、実際の編集でこんなでたらめな間違いに出くわすことはほとんどない。しかし、校閲となるとこんな点にまで気づかなければいけないものかとハッとした。 そういえば、ある推理小説の文庫本を読んでいて、主人公は高卒という設定だったが、後半では短大の同窓会に行ってきたという記述を見つけたことがあった。書いた作家も編集者も印刷所まで気づかないことに気づくのが校閲のプロということなのだろう。もともと持ち合わせてはいなかったが、私の中の校閲魂がメラメラと燃え上がった。 (やっこたん社長の営業魂の日記に触発されて) とりあえずこれからはブログも日記も、そのまま印刷して綴じれば書籍にできるくらい、誤字脱字がなく、不整合のない文をめざすことにしたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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