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カテゴリ:読書/映画・TV鑑賞
『ダライ・ラマの仏教入門』という本を読みました。 ダライ・ラマ十四世 テンジン・ギャムツォ著 石濱裕美子訳 光文社知恵の森文庫 たったの495円(税別)ですよ! ダライ・ラマの仏教入門 入門済みの仏教入門書を買うのは気が引けましたが、 チベット仏教の法王であるダライ・ラマ十四世が、 仏教をどのように観ているのか、興味がありました。 チベット仏教は、日本の仏教とはずいぶん違った印象を受ける仏教です。 しかし系統で言えば我が国仏教と同じ大乗仏教に属し、密教です。 スリランカやタイ、ミャンマーなどの南伝の上座部(小乗)仏教とは異なります。 我が国に伝わった密教(真言・天台)は、インドの中期密教(5~6世紀頃)のものですが チベットの密教は、7、8世紀から13世紀初めのインド仏教滅亡までの後期密教であり、 ヒンズー教やチベット在来のボン教と習合して、より呪術的な性格を強くすると同時に 仏教論理学やヨーガ修行法、祈祷法などもより精緻なものに発達させたようです。 信仰の対象として「仏・法・僧の三宝」を敬うことは同じですが 「ラマと呼ばれる師」を大切にするので、西洋人が「ラマ教」と呼んでいたものです。 ラマの中でも最高位のダライ・ラマ法王は「転生活仏」観音菩薩の化身とされており、 他にも阿弥陀仏の化身とされるパンチェン・ラマなどが知られています。 チベット仏教にも4大宗派など多くの宗派がありますが、 ダライ・ラマ法王の属するゲルク派は、密教と同時に顕教も重視し、 大乗仏教の「空」理論を確立した龍樹(ナーガールジュナ)の 中観派の系統にあると自称しています。 従ってダライ・ラマの説く仏教入門は、我々日本人にもたいへん分かりやすいものです。 勿論密教的な解釈部分もありますが、大乗仏教の心髄である縁起と空の思想や 悟りへの道(菩薩と慈悲心の実践)、仏陀の境地(空を悟る意識)など 我が国の仏教者たちの本と比べるとその内容は非常に分かりやすく、 難解にしか教えられない、あるいは凡人には分からないから教えない方がいいという 悪しき伝統をつくってしまった、日本仏教の仏弟子の独りとして考えさせられました。 なお、同じく光文社発行で『ダライ・ラマの密教入門』もあります。 こちらはチベット密教を学ぶのに最適なテキストですよ。 盆休みに仏教を見直したい人に、観学院称徳お奨めの本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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