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カテゴリ:話芸・お笑い、ラジオデイズ
柳家喜多八落語会070612
昨夜、柳家喜多八師匠の落語を三鷹の文鳥舎に聴きに行きました。開口一番は喜多八師匠の「金の大黒」、続いてゲスト桂平治師匠の何とレアもの「源平盛衰記」、トリは喜多八師匠の「二十四孝」でした。 「金の大黒」。大家さんの坊ちゃんが長屋の子供達と遊んでいるとき、砂の中から金の大黒様を見つけ、おめでたいというので大家がお祝いの宴を開いてくれるという。番頭が気を利かせて紋付きの羽織を着て口上のひとつも言ってもらいたいと頼んだことから、長屋の住人達がひとつしかない紋付きを着回して、一人づつとんちんかんな口上を述べることで笑いを誘うという話です。無学だが一所懸命口上を述べてご馳走にありつこうという長屋の住人達ひとり一人の個性を浮き彫りにしていく師匠の描写力と表現力には、いつもながら感心してしまいました。 続く「源平盛衰記」は、盛者必衰、おごれる者は久しからず。源平合戦に敗れて壇ノ浦に滅んでいく平氏の人々と源義経など源氏側との交流を描いた戦記もの。琵琶法師がやっていたものが講談の名調子となって多くの人々の涙を誘った話がベースになっています。が、落語の方はというと本筋の講談調の部分が続かずに何度も脱線を重ねながらまた本筋に戻るという面白さで笑わせてくれます。拙僧は晩年女子高生達の間でラッキーおじいさんとして人気があったという桂文治師匠が全盛期にやっていたのや昭和の爆笑王だった林家三平さんのものも聴いていますので、たいへん懐かしく思いました。平治師匠も、たわいもないダジャレや文治師匠や彦六師匠の真似なども交えつつ、たっぷり脱線して演じてくれました。40分以上にも及ぶ大熱演、現代風解釈の馬鹿ばかしい笑いの中にちょっぴり真実が見え隠れする「源平盛衰記」でした。 トリは「二十四孝」。親不孝を重ねる八五郎に大家さんが説教し、唐土(もろこし)の孝行者の話をして聞かせる。八はこれを自己流に都合良く解釈して母親に孝行しようとするが、鯉を食わせると言えば「わたしゃ、川魚は泥臭くて嫌いだよ」、竹の子はどうかと聞けば「歯がなくて食えやしないよ」と断られる。親孝行もできねえと外に飛び出した八、往来で出逢った辰公に大家の話を受け売りするが、これがとんでもない話に化けているという落語にお定まりのパターンで笑わせる。喜多八師匠は、ぶっ飛んだ乱暴者を演じたら抜群の冴えを発揮してくれます。先代小さんが元だということですが、拙僧はこの噺もまた先代文治師匠で聴いていました。 平治師匠の「源平盛衰記」と喜多八師匠の「二十四孝」、2004年1月31日落語芸術協会会長の座を桂歌丸師匠に禅譲したその日に亡くなった、十代目桂文治師匠が蘇ってしまった一夜ではありました。古典落語の魅力は、沢山の噺家が創意工夫しながら演じてきたその積み重ねの歴史を、目の前で演じられているまさにリアルタイムな芸の中に感じることができることだと思います。だからこそ、同じ演目を何度聴いても面白いのです。この深みにはまった者は、至福の時の流れを実感することができるでしょう。 あ~、落語ってほんと~に面白いですねえ。 ヒロ伊藤でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年06月13日 22時21分09秒
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