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カテゴリ:読書/映画・TV鑑賞
企業コンプライアンス(法令遵守)やCSR(企業の社会的責任)が重要視されるようになった現在でも、食品偽装事件があとを絶ちません。その先駆けとなったのは、わずか6年前、 2002年の雪印食品牛肉偽装事件でした。この事件で「実名告発」を行った中小企業、西宮冷蔵倉庫会社社長の苦悩と決断、その後の思いも寄らぬ廃業と再建への道程を描くドキュメンタリードラマを、30日夜、偶然に観ることができました。企業の広告で成り立っている民放では考えられない、NHKならでは、企業名や登場人物名などが実名で登場する衝撃的な作品でした。NHKというところは実に不思議な放送局で、時として罪滅ぼし?のような意欲的な番組をさり気なく放送します。 NHKホームページの番組表から番組内容の詳細を引用します。 2002年、食品偽装告発の"さきがけ"ともいえる事件が世間をにぎわせた。BSE騒ぎの最中、輸入肉を国産肉と偽った、雪印食品による牛肉偽装事件である。倉庫会社の社長・水谷洋一氏が実名で告発。一躍、時の人となった。だがその背後には、屈折した思いやしたたかな思惑もあった。水谷氏は、その後、思いもよらない過酷な運命に翻弄(ほんろう)される。告発という「反乱」の実態や、それがもたらしたものを見つめる。(引用終わり) 水谷社長は若手社員が得意先の指示で伝票を改竄した事実を知り、得意先の説得を試みる。この時の偽装事件は今も続く単なる産地や品質の偽装ではなく、狂牛病騒ぎで流通できない牛肉を国が税金で買い上げて焼却処分にするという援護策を逆手にとった悪質で大がかりな詐欺事件だった。しかし得意先は傲慢な大企業、下請け業者の忠告に黙っとけと取り合わない。同社の売上比率は10%。たとえ取引がなくなっても大丈夫と告発に踏み切る。マスコミで大きく取り上げられ一躍時の人になった社長だったが、本当の地獄はその後に待っていた。 得意先の荷主は次々に荷を引き上げ、流通倉庫業を所管する国交省は、伝票改竄を違法として業務停止処分に。。。告発を促したマスコミの中にも社長を「変わり者、目立ちたがり屋のエエカッコシー」などとおもしろおかしく伝えるワイドショーや週刊誌もあったように記憶している。たちまち会社は立ちゆかなくなり泣く泣く社員を解雇して廃業となった。 日雇い仕事でもしようかという社長のもとにある日、事件が原因で解散になった元雪印食品の社員が二人訪ねてくる。「会社を解散され生活も人生もメチャクチャにされた、と言われたら、こちらも廃業だからと許してもらおうと思った」と社長は言う。しかし実際は「雪印食品の犯罪が原因で御社を廃業に追い込むことになり申し訳ない。是非再建して欲しい」と謝られたという。 この真摯な思いに力づけられた水谷社長、事件の経緯を書いた本を売りながらカンパを集め始める。無責任?なマスコミもようやく戻ってきてこの活動を報道し、全国から800万円を超える支援が集まり、廃業から2年後、業務再開にこぎ着ける。昔の社員も戻ってきて今、冷蔵倉庫は最盛期の5割ほどの荷が戻ってきた。ただ、肉類はひとつも入っていないという。 こういう流通倉庫会社が普通であれば食品偽装は発生しないはずですが、荷を引き上げていった得意先のみならず、現在でもこういう会社の倉庫に預けられない企業の食品は不正をしようとしていると勘ぐられても文句は言えないと思います。まったくこの国の企業ときたら、建前ではコンプライアンスとかCSRとか掲げながら、その実体はどれだけ変わっているのか分かりませんね。まして企業モラルなど高尚なことを求めるのは無理というものでしょう。食品偽装の発覚が一向に収まりそうもないタイムリーな時期に、こうした突然変異的な番組を放送したNHKを見直しました。が、NHKさんは大丈夫なんでしょうね!? おこりんぼさん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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