膝とスイーツ作戦<どちらを選ぶかはあなた次第>
最近スイーツにあまり目が向かなくなってきた。以前の私なら、例えばスイーツ売り場を端から端まで隈なく見て回る時、う〜わ〜おいしそ〜〜と目がハートになっていた。スイーツを食べる時もそうだが、この、スイーツ売り場をうろちょろ徘徊する時間も又幸せいっぱいなことで、なんとも言えない満ち足りた気持ちになったものであった。それが一転、今はまったく高揚する感じを得られない。まずチョコレートが一口も食べられなくなったから、チョコレートを使ったスイーツは素通りして即却下、これはスイーツ売り場全体の約半分を占める。次、洋菓子売り場へ行くも、クリームを使ったスイーツもちょっと受け付けなくなってきているので目の保養だけに留め、すると洋菓子の8割が却下。残る2割の洋菓子と和菓子売り場に行動範囲を狭めるも、和菓子にもクリームを使っているものがあり、消去法はぐんぐん進む。てな具合に、なんだか有無を言わさぬ内に次々とふるいに掛けざるを得ず、食べたいスイーツを選ぶというよりも“今の私が食べられるスイーツを探す”という目的に変わってきている。甘党人生だったのでこの結末は悲しいこと極まりなく、あれだけウキウキと楽しかったスイーツ売り場巡りまでをも取り上げられてしまったのかと、私にとっては趣味が一つ減ったことと同じであった。じゃあもういっそのこと一切食べなきゃいいじゃないかと言われると、ぐうの音も出ない。難病を患う身体を慮って優先してきた自分治療。約9年半を経て得られたものは数知れないけれど、それ以上のもっと大きな何かを私は失ってしまったと思われてならない。その道を選択し進んだのは私自身であることは承知の上だが、趣味嗜好のないそっけなさしか残らない日々はいかがなものか。実際体調が良くなった身体とは裏腹に、釈然としない気持ちがずっとわだかまっている。