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カテゴリ:高校生時代
マリリンとモンロー ズル休みや早退をしながらも、辛うじて通っていた高校1年生。 勉強なんてしなかったから、赤点を取って追試を受けていた。 いつも顔の皮膚が垂れ下がっている気だるい生徒だった。 特にすることもなく暇だったから、部活に入ってみた。 その部活には私と同じ名字の同級生がいた。 1学年400人の大きな学校だったから、珍しい名字でもない限り、同じ名字の人間が一人や二人いてもおかしくはないだろう。 さて、名字で呼ぶとどちらかわからないからあだ名を付けよう、ということになった。 ところで、この部には一風変わった先輩がいた。 纏う雰囲気や髪型や服装もみんなから外れ、一回り年上のような風貌だった。 この先輩が、変なことを言い出した。 マリリンとモンローは? いやいや、いくらなんでもそれはないだろう。 こっそりそう呟くも、先輩のやけに高音の地声にかき消され、同級生がマリリン、私がモンローと呼ばれることに決定した。 あり得ないあだ名をいただき、そう呼ばれて返事をする度に口は歪む。 意を決してマリリンに相談しようかと思ったが、目がぱちくりして可愛らしいマリリンにはむしろ似合っているようにさえ感じられた。 会いたくない人に限ってよく会う。 廊下で先輩と出くわし、モンローと呼ばれる度にイライラし、部活を半年で辞めた。 我が人生の中で最短期間呼ばれたあだ名であり、特別奇異なあだ名であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015/09/07 07:57:08 PM
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