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カテゴリ:2023〜養生
七つ目。
えー、唯一迷いもある。 それは妹のことである。 私が発病した翌年に風のように家を出て結婚した妹。 年に数回会う程度の付かず離れずの姉妹関係だが、決して仲が悪い訳ではなく、それぞれがそれぞれの道をただ真っ直ぐに歩んでいるだけという干渉し合わないほどよい間柄だ。 そもそも妹と私は考え方が遠く異なる。 妹自身は腹では予防治療をした方が良いと思っているに違いない。 事実、した方が良いんじゃないかと言われたことさえあった。 世間には前へならえの精神を貫く妹にとっては、私のような不登校になったり予防治療を拒んだりする風変わりな者の心境が心底理解できないのだろう。 妹の立場に立って考えてみるとその気持ちはわからなくはない。 だが、それを決める権利は妹にはなかった。 どんな時も私の意向を尊重してくれている。 根は心優しいものだから、母と二人で暮らす尚家の今後をきっと心配しているだろうが、妹にはまず最初にどんなことがあっても必死で守らなきゃならない大切な家族がある。 愛する夫と双子と今、幸せに生きている。 尚家も今、幸せで安定した日々を生きている。 じゃあ、それで良いんじゃないだろうか。 未来のことなどわからない。 私が予防治療を始めることによって家族間が揺れ動くよりも、今、尚家と妹家がそれぞれ幸せで尚家と妹家の関係が穏やかならば、それに越したことはないはずなのだ。 ただ、そんなの綺麗事だと言われてしまえば私は返す言葉もない。 一生の間で共にする時間が一番長いであろう妹との将来を考える時だけは、このまま予防治療はしないという選択を突き進んで良いのか、多少揺らいでしまうことは否めない。 病いを抱えている方になら私のこのよろめく心情を悟っていただけるかと思うが…。 八つ目。 最後に、これほど長い文章を書いておきながら恐縮だが、私には予防治療云々それ以前の重大な問題があった。 私は生まれ付き強くない。 そもそも注射に身体が耐えられないと思う。 注射を打てば、発熱、頭痛、寒気、疲労などのインフルエンザに罹った時のような副作用が現れる方がいるそうだが、この私に副作用が現れないはずがないではないか。 加えて今の私は更年期とも重なっている。 予防治療に翻弄されて日常生活がままならなくなっては本末転倒だ。 それこそ薬に人生を支配され、薬に人生を奪われてしまう。 まだ他にもありそうに思うが、現時点で私が予防治療をしない思い付く限りの理由を包み隠さず本音で述べた。 意外にも多かったようだ。 私には子供がいるでもなく家庭もない。 自由気儘な独り身だからこそできる選択である。 このブログを含め、こんな頑固な私にそっと寄り添って見守ってくれている周りの方々に、心より感謝します。 以上。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025/06/11 07:56:06 PM
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