|
コーヒーを飲むことが趣味だったから、以前はコーヒー代は必要出費という勘定だった。
喫茶店でマスターにドリップしてもらい、クッといただくブラックコーヒーはもう格別であった。 が、コーヒーを辞めてから明らかに飲み物に対する価値観が変化した。 私がコーヒーを辞めたのはちょうどコロナで家にいなければならなかった頃。 早いもので12月で5年を迎えるが、今やコーヒーの価格は目が飛び出んばかりに値上がりしており、心底良い時に辞めたなという感想である。 そもそも私は幼い頃から飲み物にあまり興味がなく、今はお茶か水か紅茶しか摂っていない。 家では母が毎日やかんで沸かしてくれるお茶。 それか熱々の白湯。 外出する時は水筒に水道水を入れて持っていく。 日本は安全な水が出てくるのだから、水道水で何の問題もないと思っている。 カフェへ入った時だけ紅茶を注文する。 ペットボトルに関しては、もっぱら緊急時に飲むものだという解釈なので、普段は一切飲まない。 私は昭和の古い人間だ。 あんな飲み物を飲みたいとも思わないし、まずいし、体に悪いし、ゴミばっかり増えるし、なんでこんなものをみんな当たり前のように毎日毎日何本もひょいと買うんだろうと不思議だし、こんなに無駄でこんなに価格に見合っていない商品はないのに、と極めて後ろ向きである。 そして、時の流れに乗ったらばついにスイーツまで辞めることと相成り、最近ではカフェへ入ることすらほとんどないので、外出先で飲み物を飲むということが非常に減っている。 そこで考えがまた先へ一歩進み、液体にお金を払うなら固形物にお金を払いたいと思うようになってきた。 カフェへ行くと、紙コップにティーバッグをポンと入れ、お湯をジャーッと注いで、それだけで数百円も支払わされる。 これじゃあどう考えてもお金をドブに捨てているようなものじゃないか。 …。 と、いろいろと、どんどんケチ臭く考えが変化してきて、詰まるところ、私はよっぽどコーヒーが好きだったんだという結論に達した。 心から愛していた。 もう身体はコーヒーを受け付けなくなってしまったし、飲まない方が具合が良いので再び趣味へと返り咲くことはおそらくないけれど、やっぱり私にとってコーヒーは一段抜きん出た飲み物だったのだと思う。 そして今以上に外出先での飲み物はよく吟味しよう、飲み物代こそ節約すべきだと、このご時世を凌ぐ術にじっと頭に巡らせるのであった…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025/10/09 07:53:18 PM
コメント(0) | コメントを書く
[2023〜硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、] カテゴリの最新記事
|