幸福の黄色いパンツ?
本当に物が多い。年々増えてく。父の部屋だった物置き部屋にある物はすべていらない物なのに、ゴミとして捨てることがどうしてももったいなく、誰かにあげるなどリサイクルしたいらしい。物が引っかかって引き出しが閉まらなくても、物が雪崩のようになっていても、ドミノのように倒れていても、まったく以って平気。気にもならないようであった。それなのに、飾り物だけは熱心に取り替え、毎月の季節ごとの模様替えはもはや執念深い義務となっている。天井まで届きそうな背の高い本棚があった。以前は私の楽譜を入れていたのだが、今は、母が習い事へ行く度に作ってくる作品が、もう1mmの猶予もなくびっしりと並んでいる。それでも足らず、自分の作品を飾る為だけにもう一つ別にガラスのキャビネットを買って廊下に置いた。家中の平らな場所という場所はすべて飾り物で埋めたいから、そのキャビネットの天板ももちろん飾り棚だ。私はいつも、母の頭の中はお花畑なんだろうなと思っている。ついに黄色いショーツを買ってきた。黄色って本当に目の覚めるようなイエロー。我が家では、幸福の黄色いハンカチならぬ黄色いパンツがベランダで旗めいている。