しかし彼はゆかないわけにはゆかなかった
「“私はこういう人生になった”」「波は運命で、人間がそれにうまくのれると何んでも思ったように気持よくゆくが、一つのり損(そこな)うといくらあせっても、あわてても、思ったように進むことが出来ない。賢い人だけが次の波を待つ。そして運命は波のように、自分達を規則正しく、訪れてくれるのだが、自分達はそれを千に一つも生かすことが出来ないのだ」「お互い感化され、感化した」「私は知らぬ神に祈ります。泣いて祈ります。少しでも希望がありますように」「私は静かに門のそとに立って戸の自(おの)ずとあくのを待ちたくも思いました」「僕は一人で耐える。そしてその淋しさから何かを生む。これが神から与えられた杯(さかずき)ならばともかく自分はそれをのみほさなければならない」「生まれたものは死に、会うものは又別れる」