可愛いマスクの下には凶暴な猫が
2007年始めからうちに来た猫の名前は、MISSY。意味は一般的には『お嬢さん』だが、皮肉で使う時は『小生意気な女』という意味もある。うちの猫的には後者の意味がピッタリ。 最初の頃は、小生意気と言うよりは、警戒心通り越して闘争心剥きだしであった。少し近づくだけで威嚇、通り過ぎるだけで噛み付いてきて引っ掻きまくる、という状態だった。始終うなり声をあげていた。とても人に慣れる日なんてやってこないのでは、と何度も引っ掛かかれ、噛み付かれて血だらけになった自分の手や腕を見て思ったものだ。 変わってきたのは家にきて、3,4ヶ月ぐらいたってから。顔付きが穏やかになり、自分の居場所を確保し、落ち着いたようだった。人に挨拶したり、撫でさせることも出来るようになった。今では機嫌が良ければ頬ずりもできるし、撫でている人の手を舐めることもある。が、相変わらず抱っこは嫌いで、抱っこをしようとすると、威嚇して引っ掻いたり噛み付いたりして暴れるので、爪切りも耳掃除も歯磨きもまだできない。このため、病院に連れていくのはいつも一苦労。 いつも行っている動物病院では、ただ爪切りや耳掃除をするときでも、3人がかり。恐ろしく暴れながら、野性動物のように大きく太い声で吠え続けるので、待合室で順番を待っている人達が、わざわざ覗きにきたり、『いったい何の動物を飼っているんですか?』と不思議そうに聞いてきたりする。 精密検査で大きな病院に行った時は、担当獣医二人が、あまりの暴れっぷりに、かなりどん引き。看護士の方々も、苦笑していた。能の異常を疑われたぐらいだった。 それでも昨年の夏以降からは、少しずつ機嫌が良い日が増えてきた。 引き取った時にはすでに3歳以上であったMISSY。 獣医さんたちの意見はみな、今まで人によほど嫌な思いをさせられてきたのでは、とのことだった。何年も苦しめられてきたのなら、落ち着くのに時間がかかるのは当然。 虐待経験を経た3年以上もの間、人とどんな暮らしをしてきたのだろう。 彼女が完全に心を開くのにはまだ時間がかかるだろうが、のんびり待つつもりだ。 Missy嬢、写メ