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ruka126053のブログ

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第1話―冒険の始まり


全ての幸福は、カオスから生まれる。
負けた者には誰も眼をやらない。

ゆえに、禁忌は破られる。

ズゴゴゴゴゴ・・・・。

勝利は緩さを生む。
「行こう、十耶」
そこは明らかに現代日本。いや、地球上ですらないだろう。大人になるにつれ、それは夢と大差ない。
「どこへ?」
ありえない光景。だが存在する以上、自分以外の生き物は敵だ。轟音。バラバラと建物が壊れていく。
「遥かなる高みへ」

ピリリリ・・・。お台場のマンション。
「光?」
八神光は、その時現実世界のどこか、違う時空で彼女がよくなじんだ人間以外の生物。現代において存在しないはずの恐竜に似た生物、映画や小説の中、幻想の中しか存在しない悪魔に似た人型の生物。
グォォォン。

塾の帰りだろう、帽子をかぶった金髪の少年がスマートフォンで家族に連絡をとっていた。肩にはオレンジ色のかわいらしい子犬サイズの生き物が乗っているが誰も気にとめない。
ガタン、ガタン。
ゲームセンターで、高校生くらいの少年が友人とボクシング風の機械で打ち合っている。
「タケル、妙な気配がするよ」
「まさか、敵はもういないんだよ」
寄り添うカップル。女子中学生達。時間なだけに、まだ親子連れもいくらか姿を見せている。タケルは目の前を横切った少年にふと目を奪われた。格好自体はハーフパンツに黒いシャツ、小学生だろう、大人びた服装だが今どき珍しくもない。人々が青になるのを待っている。外国人の小学生がいても注目する方が変だ。
「え・・・」
人々が歩きだす。だが、現在その人が自分よりも背丈が低いわけがない。タケルを見つけたら声くらいはかける。
「タケル?」
青い瞳は前だけを見ていた。
その少年、11歳ほどの少年はタケルの兄に酷似していた。

十三月の月の侵攻をテイマーが来るまで持ちこたえることができるだろうか。
デジタマを抱えながら、チャームグリフィーモンは追いかけてくる敵から必死に逃げる。
選ばれし子供。
助けてくれ。

天に向ける漆黒のクリスタルの城。それこそがダークエリアにある十三月の月の本部だ。
「セイバーズが」
「こざかしい真似を」
誰もがテイマー。選ばれし子供。
リリスモン、ですウォーグレイモン達も次つとデジモン兵を向かわせ、襲撃してくる。

「ナイトモン」
「いいんだ、まりあ」
「でも・・・」
ズゴォォォ。ゴォォォ。
「これは仕方のないことなんだ」

ゼロか、一か。

ウィぃン。
「何故だ」
「何故なんだ」
どこかで誰かが叫ぶ。空間が歪む。デジタル的な記号が流れる。
友達が夢のためにパートナーデジモンを向け、世界に自分に挑戦する。友達は傷つけない、対等で。そんな常識がテイマ―の少年を現実に認識させるのに邪魔し、行動を遅らせる。
デジタルモンスター、選ばれし子供。
ならば、それに当てはまらない行く奥のただの子供はどうして選ばれた存在になるのか。

ナビゲーター。

そんな中、デジタルワールドは人間の子供とデジモンの狭間のもの、中間のものをデザインし。
ワンダーランドと呼ばれる異空間の城で彼らはジャッジするため、テイマ―達に呼び出される。
現実世界―。
「おい、嘘だろ」
「ありえない」
太一があわてて、夜の渋谷で、リアライズされた少女のような容姿の少年の落下を目撃する。
「男の子?」
光や京、光子郎も太一の後を追いかけてくる。
空から、小学生くらいの少年が太一のもとに落ちてくる。巨大な恐竜型のデジモンの声が鳴り響く。現実世界の夜の空が割かれ、その穴からデジモン達が凶悪な表情で飛び込んでくる。高速道路の中で、友達だという少年2人がパートナーデジモンを連れて、戦い合っている。
「それでは、バトルはじめ」
ナビゲーターといわれる銀髪の子供に導かれて。
ふわあ。
すとんと碧色の髪の少年が機械的な目で太一を見上げる。首には黒い首輪、デジモンの文字が書かれている。
「標高、落下地点予測、予想範囲内外、第一世代接触、ナンバーゼロ、接触を拒否、勇気の紋章脈拍に乱れあり、体温低下、速やかに医療機関、保護者に連絡すべき」
首を動かし、そうつぶやくと、太一の腕の中から離れ、地面に足をつかせる。
「対象選ばれし子供候補生ナンバー88との接触のため、移動開始」
そう言って、少年は立ち去っていく。手の中には黒いデジヴァイスがある。

名門のエリート校の制服を着た漆黒の髪の少年が新宿駅の深夜2時頃、指定された場所を訪れた。その隣には、デジモンらしい生き物の影が・・・。

ウォォォォン・・・!

どこかで獣じみた鳴き声が聞こえる。
「ゲームの最中だ、邪魔をしないでもらおうか」
「しかし、貴方ほどのテイマーが・・・」
ひぃぃ、と泣き叫びながらガタガタと肩を震えさせる少年には雑音を鳴り響かせるデジヴァイスがその手の中に握られている。
「情報を彼らにばらされたらたまらないからな、行くぞ・・・!」
「はい、主殿・・・」

建物と建物の間を跳ねまわるサイドテールの少女がいた。剣型に姿を変えたデジヴァイス、はじける火花。
揺れる金属音。
紫籐舞にあこがれる小学四年の少女白馬透。
彼女が願う願い事とは――、今はだれも知らない。
「テイマーに私はなるっ」

ヒュウウウ――


水道橋、午後11時前。
神山宅――

「いけーー!!そこだ!うりゃあ!!」

ゴーグルを首につけた少年、神山拓人が豪快にコントローラーを回しながら目の前のレースゲームへと一心を尖らせた。
「お兄様、お風呂開きましたよ」
神山まりあが、花柄のパジャマ姿で濡れた髪を拭きながら目の前の少年に言った。
「この第2レースが終わってからな!おりゃ!」

「・・・何か、格闘してるみたいですね」
ゆっくりと、おっとりした口調でタクトの最愛の妹は笑顔を浮かべてそういった。

横浜、午後8時。

橘宅―

ブラウンのロングヘアと碧の瞳の少女、サラ・橘・フリュ―ゲルがフルーツ味のピザを口に含んで、
「おー♪デリシャス」
と、幸せいっぱいの表情を浮かべた。
「よかったわ、喜んでもらえて」
「ああ」
サラの両親が仲良さげにソファーに座ってテレビを見ながらそんな会話をしていた。

自由ヶ丘、午後7時。
天空寺宅―

と、金色の髪と透き通るような蒼い瞳の少年・天空寺吉良がそんな事をメモを見ながら言った。彼の前には、パソコンが供えられ、サイトが開かれていた。
吉良はメモを机の上において再びキーを叩き出した。

お台場、午後6時。

「・・・っ、・・・ひっく」

――運命を決めるゲームに出ますか?出ませんか?

そんなメールが来る事を誰も夢にも思わなかった。


『昨夜から記録的な霧の現象が関東付近に起こっています。外出される場合は十分な注意を持って――』

ピッ

「こらっ、拓人、勝手に切らないの」
「だって、どのチャンネル回しても同じニュースしかやってないじゃん。夏休みまであと3日だってのに」
拓人は不満げに言ってリモコンを投げ捨てるとソファーに置いてある携帯電話をすくいあげた。
「ん?」
拓人が画面に映し出された画面に目を留めた。携帯の画面には英語で「デジタルワールド」と書かれたデジタルワールドに繋がるHPが映し出されていた。
その「デジタルワールド」の下にはある文字が書かれていた。

『運命を決めるこのゲームに出ますか?出ませんか?』

YES/NO

「・・こんなのダウンロードしったけ?」

・・・。ま、いっか。

「イエス・・と」
その瞬間、HPから赤い光が拓人に向かって目がくらむくらいに差し込んできた。
「!?なっ、何だ?」
その赤い光は拓人の身体を突き抜け、消え去った。

―何ともない・・何だったんだ、今の光は・・。

「お兄ちゃん、早く行かないと遅れるよ」
「!あっ、うん!」
拓人はカバンに携帯を入れて急いで外に出た。

―10時55分までにお台場にあるビックサイトに着てください。

「!うそっ、今から?ッて言うか、イエスを押したばっかなのにもう始まってるのか?」
時刻を見ると、今は7時36分を指していた。

・・こんなゲーム、見た事ナイ・・もしかしたら新しいタイプなのか・・。だったら・・。

「ごめん!オレ、今日さぼるわ!」
「え、ちょっとお兄ちゃん?」


                2
「はぁ?」
大輔は自分の正気を疑っているのか、きつい目でタケルを見る。中学の制服に身を包み、世界的事件から二人は背が伸びて、大輔はタケルに少し身長を越された。
「他人の空似だろ」
「でも・・・」
「俺はこれから、小学生のサッカーチームにサッカー教えに行くんだけど」
「・・・冷たい」
タケル自身、いい奴で光と友達なのはわかるが、大輔は素直に認められない。
「京にでも相談しろよ」

メフェルトフェレス門の得意技が、人の五感を支配する力が榊斗蛾のチームメイト、四条のパートナーデジモン、聖鳥型デジモンのスキル《ライブラの王冠≫を凌駕する。
「究極体といきなりパートナーになるだと」
狂気じみた、自信に満ちた笑みを浮かべる。
「勝利は俺のものだ」
「くっ」
メフェルトフィレすモンの得意技、サテライトブレイヴが地面を削り、天空を裂く。
ズゴォォォン。

河原で、相手チームの小学生がチームメイトが来ていないことを告げる。
「一応参加すると思ってたんだけど」
「どうすんだよ」
「あいつお人よしだし、なんかトラブル巻き込まれたのかも」
「事件かな、変な大人もいるし」
なぜか大輔のゴーグルを見た。
「で、そいつの名前は?」
「神山タクトです」

―JR東京駅―
なだれ込むような人々がどっと電車の中から出てきた。
「よしっ、着いた!」
拓人は携帯の時刻を見つめながら階段を思いっきり降りていった。
カバンをロッカーに入れておいて正解だったかもっ。
その時、キキィ・・・!と車が何かとぶつかったような音が鳴り響いたが拓人はとくに気にとめずみやげ店の前を人ごみを避けながら山手線へと向かった。
「あの・・、すみませんけど山手線ってどこにあるんですか?」
那岐がおずおずと聞いてきた。
「!」

ガタン・・ガタン・・

「ほら、飲めよ」と、拓人が一番端に座っている那岐に渡した。
「あ、どうも・・」
拓人も缶ジュースを飲みながら那岐の横を座った。

―同時刻―

1つの眩い光が人に捕らえないほどの速度でネット上をまるで意思を持っているかのように突き抜けていった。
その光の後からは、黒く輝く光がついてきていた。

10時50分、お台場・ビックサイト、パーソナルセンター前。
「・・つ、着いた・・」
拓人が息を弾ませて目の前の大きなセンターを那岐と一緒に見た。
「ねぇ、貴方達もゲームの参加者なの?」
ニッコリと微笑みながら、サラがバックをしょって現れた。彼女の後ろには、女のこの友達が2人とサラに片思いしている浅黒い肌の少年・相馬宗一郎がいた。
「―君は?」
「私?私、サラ・橘・フリュ―ゲル。年は君と同じくらいだと思うけど。よろしくねっ」
「オレ、神山拓人」
「・・八代那岐です」
「何だ、お前も来てたのかよ。暇な奴だな、お前」
「大神さん!」
那岐がびくついた表情を見せた。
「?」
「なんか、バカな奴ラが集まっているな」と、ミハエル・パウエルが私立の制服姿で携帯を持って現れた。
拓人は、那岐から視線をはずすと、遠くにいる厳しい表情をした金髪の少年の姿に気がついた。
―何だ、あいつ。
その瞬間、彼らの頭上に巨大な光が現れ、皆がその光に気付いた瞬間、一気にその光が分散して、エンジェウーモンの姿が彼らの脳裏の中に映し出された!
「「な、何、これ――ぇ!」」
「「「!?」」」
「これは?」
その光がデジヴァイスへと神聖な輝きをもって姿を変えた。
―選ばれしテイマー達よ・・その強い力で私達の世界「デジタルワールド」をあいつから助けて下さい―
「何、この声~、勝手に入ってくる~・・気持ち悪い~」

―貴方達の運命を決める為、ゲートを開きます。デジヴァイスを中心に向かって掲げて下さいー

エンジェウーモンが姿を現して、デジタルワールドに繋がる光の柱ーゲートをあっという間に作った。
「・・おもしろう、やろっ!響古ちゃんと藍理ちゃんは?」
「私はもちろんやりますわ」
「私、遠慮しとく~」
サラちゃんがやるならオレも・・、と宗一郎は思った。
「・・やってみようかな」
「おおっ、那岐もやるか!」
「・・・・」
「面白そうだな、僕も参加してみるか」

―では、勇気のある方からお入り下さい。

拓人を一番最初に故、サラ、饗古、那岐、ミハエル、宗一郎がゲートの中に入っていった。

―あら、遅かったですね・・。

そして、一番最後に到着した冷たい表情の金髪・蒼い瞳の少年ー皇 スバルが入って、ゲートは閉じられ、エンジェウーモンも光の柱と一緒に姿を消した。

ゲートを潜り抜けた瞬間、真っ青な青空が彼らに飛び込んできた。

「「「「「「「!?」」」」」」」

――これは?



               3

「ドクトゲトゲ」
バドモンがトラップに引っかかった宗一郎を恋木のいい笑顔で笑いながら、飛び回りながら、周りを飛び回る。
「いいかげんにしないか」
すっ、と中学生くらいの少年が前に出る。

アール。
かつて、アールはデジタルモンスター、マテリアフェアリーモンのパートナーだった。だが、敗北した。
あの十耶に。

彼らの目の前には、透き通った冷たい蒼の海に銀河のように散らばる島々や空に浮かぶ火山、見た事もナイ生き物「デジモン」が飛び回っていた。
「何で、いきなり空の中なんだよ!!」と、那岐が抱き付いてる拓人が叫び、
「・・す、すげえ・・」と、宗一郎は言った。
「「きゃああああああ~!!」」
饗古とサラは恐怖と困惑で抱き合っていた。故とミハエルは声が出ず、呆然としていた。
「・・バカみてえ」
雲の狭間から突如エンシェントドラゴン型のデジモン、リュウモンに乗った皇 スバルが現れた。
「!?」
「何だと、てめえ!!どーゆう意味だよ!」
拓人が空中回転をして、一気にリュウモンに飛び乗ってスバルの胸ぐらを掴んだ。それ以外の皆は那岐を始めとしてぶつかった衝撃でまるで風船のように飛び回って、リュウモンの背中に身体を伏せた。
「ぎゃーぎゃー騒いでバカみたいだって言ったんだよ」
「誰だって、いきなりこんな場面合わされればパニックになるわ!!」
「――よく、この状況で騒げるな、あいつら」
宗一郎が顔を伏せながらぽつりと言った。
ツンツンと、拓人のズボンのすそを引っ張る何かに拓人はスバルから視線をそらして気づいた。
「ん?」
恐竜型デジモン、ランドモンの幼年期・ビットモンが拓人のデジヴァイスから放たれた光の中から現れ、拓人のズボンの裾を引っ張ったらしい。
「タクト、僕ビットモン。遊ぼ、タクト」
「うわっ、何だ、こいつ!!?」
拓人が一気にスバルから離れた。
「どしたの?タクト」
ビットモンが不思議そうに顔をかしげた。
「何、このこかっわいいvv」
サラがビットモンを抱き上げた。
「――何だ、あの生き物・・」
故が呆然とした表情でビットモンを見ていると、故のデジヴァイスに昆虫型デジモン:クワガ―モンの姿と得意技と必殺技のデータが映し出された。

―クワガ―モン?

『―見つけたぞ、選ばれしテイマーの卵達よ』

頭にはさみをつけた成熟期デジモン―クワガ―モンが子供達を乗せたリュウモンの前に現れた。
「何ですの?あれ?」
「気持ち悪い~」
『うるさいガキどもだ・・まあ、いい。さっさと海のもくずになれ!!』

――パワーギロチン!!!

リュウモンの頭の上にジャンプして、一気にはさみを振り下ろした!
リュウモンが避けようと身体を動かした瞬間、再び地上に振り落とされた。

「「「「「「「「「うわああああああああ!!」」」」」」」」」」


                   4
真っ暗な闇が広がるトンネルを駆け抜け、トレイルモンが霧に包まれた大平原へとレールをつたって通っていった。
「・・お客さん、お客さん、ほらもうすぐ着くから起きて」
トレイルモンが第1車両の一番片隅で座って寝ている吉良に備え付けのラジオを通して語りかけた。
「・・・ん?誰?父さん?」
吉良は自分の胸の上に何か乗っているのを感じて、ゆっくりと目を開けた。
「キラ、おはよ―」
やわらかで優しい声だ。
「・・・ッ」
吉良が手にしているデジヴァイスに目の前のデジモンの事が表示された。

―プットモン、小天使型デジモン、幼年期、必殺技はエンジェルダスト、得意技はハッピーシャワー、天使型デジモンの源といわれている―

「プットモン?」
「うん・・僕、キラのパートナーなの。よろちく」
「よろしく・・でも、何でオレの名前知ってるんだ?」
ガタンッ
「てっ」
トレイルモンが蒸気を上に向かって放ち、ぴたりと駅の前で止まった。
「おりりょ~」
プットモンが身体をボールのように跳ねながら、自動ドアから外に出た。
「あっ、ちょっと、待てよ!」
吉良が追いかけるように外へ出ると、霧が広がる大平原がそこに広がっていた。
「!」
「キラ~、お空から何かフワフワ落ちてくるよ」
「お空?」
吉良が顔を上げると、シャボン玉の中にいるビットモンと拓人、サラ、ミハエル、那岐、饗古の姿があった。
「あれは・・」

――テイマー達の冒険の始まりだった。




大きな宝石がゴロゴロした鉱山の周りには容赦なく炎の柱が吹き溢れており、タクト達がたどり着いた時、炎と硫黄の匂い、妖精型ドルフモンがせっせと宝石を掘っている所に遭遇した。


「あれ?」
珍しい事もある事もあるものだと火田伊織は思った。
いつも、この時間ではまめにこのチャットにはやって来るというのに。
ハンドルネーム「タクト」。
小学五年生になって、始めたチャットの中では、伊織の仲の良いチャット仲間だ。
「・・・おかしいですね」
伊織は不思議そうに首を傾けながら、カーソルに指を滑らした。
「何か、あったんでしょうか?」
「どうしただぎゃ、伊織」
そこへ、アルマジモンがのっそりとやってきた。
「あ、アルマジモン」
その時だ、扉の隙間からテレビのナレーターの声が聞こえてきたのは。
「―以上、この数名の子供たちが今から昨日、行方不明となった子供たちです。なお、親御さんや警察の話では・・」
何と、その子供たちの中にはタクト達の姿もあった。
「行方不明ですか、怖いですねえ~」
「だぎゃ~」

                            6
タクト達が次に飛ばされたのは、セカンドというナビゲーターがいる海の底にある神殿だった。
「・・・・しかし、これは」
「寝ていますね」
「いや、捕まってるとか」
「囚われのお姫様か」



アンドレ・カールセン、名誉委員長を押し付けられた留学生の少年は勇気を振り絞って、その扉を開いた。
「たのもぉ~!!高城、出て来い!!」
次の瞬間、アンドレの喉下に日本刀・・ではなく、木刀が突きつけられる。


ドォォ・・・ン!
アンドレは準備室の前でシャッターアウトされた。





ガチャン・・!!
泉 光子郎はそれを見た瞬間、乱暴にカーソルの上に手を叩かせた。
「・・何なんですか!?これは・・」
「光子郎?」
部屋に入ってきた光子郎の母親はびっくりといった表情を浮かべた。
「デジタルワールドが・・」
デジタルワールドに行くゲートがすべて閉じられている・・!
何度パスワードを入れても、ロック状態に陥る。
今まで、こんな事はなかったのに・・・!
「―・・太一さんに早く知らせないと・・!」
光子郎は立ち上がって、携帯を慌てて手に取った。


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